ホーム > 資料・出版物 > メールニュース > メコン上流開発 > 北タイの環境グループが懸念
1月以来、タイではメコン河の異常な低水位と変動に関するニュースが連日報道されています。このメールニュースでもお知らせした通り、タイ側は上流中国のダム開発が原因だとする一方で、中国は気候変動が原因だと主張し、異常気象による渇水が低水位を引き起こしていると弁明しています。
以下、この問題をモニタリングしている北タイのNGOの主張を、バンコクポストが報じた記事です。メコン河本流ダム
バンコクポスト2004年3月5日
Kultida Samabuddhi記者
メコン河下流の低水位現象は、気候変動ではなく上流の中国に建設されている一連の水力発電ダムが原因だ、環境グループの東南アジア河川ネットワーク(SEARIN)はそう主張する。
チェンマイに本部を置くこの団体の代表Chainarong Sretthachau氏は「メコン河の水位は深刻な低さであるばかりか、変動しているのだ。これはまともじゃないし、明かに中国のダムの運用に原因がある」と述べた。
カンボジア、ラオス、タイ、それにベトナムの数百万の人々が影響を受けるだろう。
中国はメコン河に8つのダムを作りたがっている。その最初のダムー漫湾ダム(1250メガワット)は1996年に完成した。2番目の大朝山ダム(1350メガワット)も昨年11月に完成した。建設中のダムは小湾ダム、それにチェンライの黄金の三角地帯の北300キロにある景洪ダムである。
メコン河の水位は1996年に漫湾ダムが操業して以来、劇的に下降してきた。小湾ダムや景洪ダムが更に多くの水を発電のために貯えることで、下流の国々の水危機が悪化するのではないかとChainarong代表は懸念する。
景洪ダムによって産み出される電力はタイに輸出されることになっている。タイ政府は、2000年11月に中国との間でそのための覚書を交わした。
Chainarong氏は、低水位は気候変動の結果でもなければ、例年の乾季の現象ということでもない。なぜなら、この減少傾向は「不自然だしこれまで起きたものと異なっているからだ」と述べる。
そして、「水位の変化はダムの運営にしたがって起きているに違いない」と述べた。
「メコン河の水危機を気候変動のせいだとする考えは受け入れられない。なぜなら、中国がこの河の破壊の責任から逃れることを許すことになるからだ」、Chainarong氏はこう述べた。