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メコン河開発メールニュース 2004年4月1日
ラオスが今後15年余りで、さらに15の水力発電ダムを建設する戦略を打ち上げました。実現すれば、発電能力は現在のおよそ10倍に達します。
その中で、開発の主眼を支流ダムに据え、本流ダムは優先度が低いとしています。
その真意が、積極的に本流開発を進める中国への静かな反発なのか、支流のダム開発ならば影響が限定的だと誤ったイメージを植え付けることなのか、そのあたりは注視する必要があるでしょう。
以下はラオス情報文化省が発行する英字新聞ビエンチャン・タイムズの記事です。
ビエンチャン・タイムズ、2004年2月27日
EKAPHONE PHOUTHONESY記者
ラオスの工業手工芸省の幹部は、昨日(2004年2月26日)、ラオスは2020年までに、メコン河の支流に15の水力発電用ダムを建設する計画だと述べた。
水力発電所の建設計画は、工業手工芸省の2020年に向けた戦略の1つで、月曜日(2月23日)に始まり本日(2月27日)終了したビエンチャンでの工業手工芸に関する国レベルの会議を通過し採択された。
「2020年までに発電する電力目標を6000メガワットに定めました。これらの発電所は目標を達成するための助けとなるでしょう」、電力局のHoumphoneBulyaphol局長はそう述べた。
工業手工芸省は国全体の発電所の潜在的な可能性について調査を行ってきた。調査は、ラオスには2万3000メガワットの発電能力があり、そのうち1万3000メガワットはメコン河支流から産み出されると結論付けた。残りの8000メガワットについてはメコン河本流から、2000メガワットは褐炭やメコン河以外の河川から産み出される、Houmphone局長はそう説明した。
ラオスにおける莫大な発電可能性を考えると、工業手工芸省としては、メコン河本流ではなく、支流における水力発電所建設をより好むだろう。
メコン河は、数か国を流れる大河であり、水力発電所の建設が河川近隣の環境や生活にどのような影響を与えるかについて更なる調査を行うべきだとHoumphone局長は記者に語り、中国が雲南省でメコン河に水力発電所を建設している話に触れた。
「メコン河本流での発電用ダムの建設は、最後の選択肢です」、Houmphone局長はそう話し、ラオス政府としては国内の発電所建設を優先すると確約した。
Houmphone局長によれば、2020年に向けた電力生産戦略には、メコン河本流の発電所は含まれていないということだ。
Houmphone局長は、発電のほとんどは輸出用で、ごくわずかだが、国内消費用にも確保すると話した。
しかし、2020年までに人口の90パーセントが電力へのアクセスができるようになるとも語った。現在はその割合はわずか37パーセントである。
電力網の拡大は、多くの異なる要素から成り立っている。都市と農村の間の送電線の敷設は金のかかる仕事である。というのも、村や居住地は、国中に散らばっているからだ。こうした農村への送電線の敷設だけではなく、「太陽光発電や小水力も地方の電力消費需要のために作られるでしょう」、局長はそう説明した。
2020年の電力戦略が達成できるかどうかは、工業手工芸省だけでなく、関係する他の政府機関にもかかっている、Houmphone局長は、より透明性がある投資政策が必要だと付け加えながらそう話した。「ラオスは電力生産の潜在能力だけの国ではないので、そのためのメカニズム、投資関連の法律、環境影響調査についても考慮しなければなりません」。
中国とミャンマー(ビルマ)は電力生産の大きな潜在能力を持ち、ラオスはメコン河流域国の中では第三の位置にあった。
Houmphone局長は最後にこう語った。もし外国投資をひきつける政策を今実施できなければ、ASEAN自由貿易地域に加わったラオスはより激しい競争に立たされるのだ、と。