ホーム > 資料・出版物 > メールニュース > 【ナムトゥン2ダム・キャンペーン】第2号 世界銀行があす東京でワークショップを開催
(特活)メコン・ウォッチ 2004年9月2日
ラオスの人々の生計手段を奪い、環境破壊を進めるプロジェクトに、世界銀行やアジア開発銀行の資金が使われないよう、皆さんの力を貸してください!
世界銀行はこれまで自分たちはナムトゥン2ダムを支援するかどうか何の決定もしていないと発言し続けてきました。しかし、世界銀行が威信をかけてこの巨大ダムを進めようとしているのは明らかです。
といいますのも、世界銀行はあす9月3日(金)、ナムトゥン2ダムを推進している出資企業と一緒に、このダムに関するワークショップを東京で開催するからです。ナムトゥン2ダムに対する理解と支持を得るためのワークショップを投資企業と共催する以上、世界銀行が「まだ支援するかどうかを決めていない」と中立を装うことはできないはずです。
さらに、もし世界銀行がこのワークショップをステークホルダーとの協議と位置付けるのであれは、それは大いなる誤りです。NGOなどからの再三の請求にもかかわらず、議論に必要な報告書や文書は一部しか公開されず、開催の知らせが世界銀行のメールサービスで配信されたのは2週間前でした。協議の開催は、事前に十分な情報が公開された上で行われるべきです。
以下の世界銀行東京事務所のホームページに、東京でのワークショップのプログラムが掲載されています。今からでも参加申し込みは可能です。
http://www.worldbank.or.jp/02event/01seminar/pdf_ts/ts32.pdf
同様のワークショップは8月31日のバンコクを皮切りに、3日に東京、その後パリとワシントンDCで予定されています。8月31日のバンコクでのワークショップでは参加者からこのプロジェクトへの厳しい批判が相次ぎ、世界銀行がナムトゥン2ダムに資金協力するための条件の1つとしている「地元及び国際的な市民社会の幅広い支援」を受けられる状況にないことは明白です。それでも世界銀行は、ナムトゥン2ダムに固執するのでしょうか。
ラオスのナムトゥン2ダム計画は、日本が第2の出資国となっている世界銀行が支援をするかどうかで、国際的に最も論議を呼んでいる大規模インフラ事業です。約6000人の立ち退き住民を含め10万人を超える農村住民に被害をもたらし、アジア象など貴重な野生動物の生息地を破壊します。総事業費は、ラオスのGDPの70パーセントに相当する12億ドルで、そのうち70パーセント以上を海外からの借金でまかなうことになります。計画の実現は資金が集まるかどうかにかかっており、そのカギを握っているのが世界銀行の支援です。もし世界銀行が協力を約束すれば、それが「お墨付き」となって民間銀行団の金利の高い融資が、重債務貧困国のラオスに流れ込むでしょう。経済的にもリスクが高いプロジェクトなのです。
ナムトゥン2ダムが地域住民の生活やそれを支える生態系に及ぼす影響に懸念を抱いてきた私たちメコン・ウォッチは、世界銀行とADBに巨額の資金を提供している日本の市民社会に向けて、この事業の概要や懸念される問題について情報を共有し、公的国際金融機関の融資を阻止するべく、このキャンペーンを始めました。是非、世界銀行、ADB、財務省国際局に対してナムトゥン2ダムへの資金協力を行わないよう働きかけにご協力下さい。
http://www.mekongwatch.org/issues/namthuen2.html#SEC1
現在、以下のペーパーが日本語で読めます。
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