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世界銀行はナムトゥン2ダムをどう捉えているのか

世界銀行ウェブサイトより(2004年8月現在)

作成:メコン・ウォッチ

巨大ダム建設の目的はミレニアム開発目標の達成

1980年代後半の市場経済化以降、6パーセント前後の経済成長を続け、人口に対する貧困層の割合が1992〜93年の45パーセントから2002〜03年には31パーセントに減少した。しかし、現在の1人あたり国民所得320ドルで、社会面での指標は東アジアで最も悪い。このままでは2010年までに貧困層を半減するミレニアム開発目標には届かない。ミレニアム開発目標を達成するには社会・インフラサービスを提供できるだけの追加的な資金が必要である。ラオスの収入源となりうるのは鉱物や水力発電といった天然資源しかない。

1070メガワットの発電能力を備えたナムトゥン2ダムによって、ラオスは995メガワット分の電力をタイ発電公社(EGAT)に輸出し、75メガワット分をラオス電力公社を通じて国内に供給することができる。年間の収入は、操業1年目に1300万ドル、2033年までに約1億5000万ドルまで伸びると期待されている。これらの資金が効率的に、説明責任や透明性をもって使われれば、ラオスの貧困削減と生物多様性の保全に重要な貢献ができる。

ナムトゥン2ダムによって操業後の10年間で政府歳入が年率で約5パーセント伸びるだろう。もし、この増加分を保健や教育分野にまわせば、操業の最初の年に、これらの分野の政府支出は25〜30パーセント増えることになる。経済成長と貧困削減に貢献する。

世界銀行のプロジェクトサイクルにおけるナムトゥン2ダムの位置

ナムトゥン2ダム計画は準備段階であり、この事業に資金協力をするかどうかの意思決定はしていない。どのような決定になるか、またそれはいつなされるかは、ラオス政府やNTPCの準備状況次第である。そのために重要なポイントについては世界銀行の「意思決定の枠組み」(Decision Framework)という文章にまとめ、2002年7月3日に公開した。そこでは3つの要素を重視している。

第1に貧困削減と環境保護を目的とした開発の枠組みに組み込まれていること、第2にプロジェクトが技術的、経済的、財政的に健全であり、世界銀行の環境社会配慮政策に沿ったものであること、第3にプロジェクトや開発の枠組みが国際的な援助国・機関や国内外の市民社会から十分な理解と幅広い支持を受けていること、の3点である。

この3つの点で十分満足いく結果が得られた場合に、意思決定のための理事会に諮ることになる。理事会は出資国の代表者で構成され、ナムトゥン2ダムプロジェクトに資金協力するかどうかの最終決定をする。世界銀行としては、社会・人間開発、環境保護、それに政策的な助言・支援の分野で、ラオス政府に可能な限りの支援を行う。

最新の準備状況

このプロジェクトによって引き起こされるであろう環境・社会影響(そこには問題解決のための緩和計画も含む)の評価は、他よりも進んでいる。経済分析も準備ができた。2004年5月、主要な環境社会配慮上の文書は、プロジェクトのウェブサイト(http://www.namtheun2.com)においてドラフトが公開され、入手可能になった。具体的には、「環境評価及び管理計画」(EAMP)、「社会開発計画」(SDP)、「社会・環境管理のための枠組み及び第1次操業計画」(SEMFOP)、それに「環境・社会影響評価概要」(SESIA)である。

これらの調査や分析についての地元協議は進行中である。また、国際的なステークホルダーとのワークショップは2004年8月終わりに始まり9月まで続く。これらの協議は、様々なステークホルダーの意見を聞き、懸念を解消するプロセスの一環として行われるが、必要に応じてフォローアップ会合が開かれることになる。

地元での協議

このプロジェクトに関するラオス国内での協議は、ラオス政府が責任を持っており、世界銀行は透明性の確保や偏向しないようにするために外部専門家として参加している。環境・社会配慮上の文書は、それぞれ要約や翻訳がなされ、事業主体から独立した進行役、影響住民が理解できる様式と言語に直した。村と郡の進行役は、文書の内容を正確に中立的に説明し、村のすべての世帯が出席して参加型の議論を行い、フォローアップの活動を先導し、村の報告を作成するように、トレーニングを受けた。村のレポートの要約は、NTPCやラオス政府のウェブサイトで見ることができる。

それぞれの場所で行われた協議の最後にまとめのセッションがもうけられ、村人から出された懸念や提案を再検討し、主要な点の変更については合意を得るようにした。このような変更点として、職業訓練の実施や、寡婦と高齢者の立ち退き住民への特別援助を住民移転行動計画に盛り込むことなどが挙げられる。

独立したモニターが参加し、協議の質をチェック・評価し、フィードバックのプロセスを改善するための助言を行った。

国際ステークホルダー・ワークショップ

地元協議に加えて、一連の国際ステークホルダー・ワークショップが、バンコク、東京、パリ、ワシントンDCで2004年8月末から9月にかけて行われ、ラオス政府が主催するビエンチャンでのまとめのワークショップにつなげられる。最後のワークショップでは、ラオス国内だけでなく、より広く国際的な市民社会の中で、プロジェクトの目的、便益、それに悪影響が、共有され、議論され、十分に理解されることを確保する。

一連のワークショップのねらいは、提案されているプロジェクトに関する情報を流し、プロジェクトに関心を持つ人々の懸念・見解・意見に耳を傾ける場を提供し、同時に環境・社会配慮上の文書を完成させる前にラオス政府とNTPCにフィードバックを行うことである。

ワークショップはまた、支援を検討している国際的な金融機関に対してプロジェクトについて情報提供をすることになる。このプロセスを、透明で、偏向せず、意義あるものとするため、独立したモデレーターが議論の進行役となり、まとめを作成する。これをすべての参加者と共有して公開することになる。

コンタクト先

<ラオス政府>

Dr. Maydom Chanthanasinh, Project Director
NT2 Project Office, Ministry of Industry and Handicrafts, Vientiane, Lao PDR
Telephone: 856 21 415 422
Fax number: 856 21 415 268
Email: golnt2@loxinfo.co.th

<開発企業体>

Mr. Bernard Tribollet, Chief Executive Officer
NTPC, 26 Khun Road, PO Box 5862, Vientiane, Lao PDR
Telephone: 856 21 217 421
Fax number: 856 21 217 420
Email: ntpcvte@loxinfo.co.th

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