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メコン河開発メールニュース 2004年11月26日
日本で一番高いビル=横浜のランドマークタワー(296m)に匹敵する小湾ダムが、メコン河本流(瀾滄江)の中国・雲南省に建設されています。ついに、メコン河を堰き止め、コンクリートの流し込みに入りました。これによって、下流の水量や魚の生態系に大きな影響が出ることが懸念されます。
以下、メコン・ウォッチの大澤香織が新華社電を翻訳しました。
西電東送事業(※訳注)のシンボル事業
(新華社ネット昆明、2004年10月26日)
西電東送のシンボル事業ー小湾水力発電所が10月25日、予定を1年前倒しして大河の堰き止めに成功した。これは小湾水力発電所が292メートルのアーチ式コンクリートダムの基礎開削と、コンクリート流し込みの段階に入ったことを示している。
昆明の西、南澗県と風応県の境に位置する小湾発電所は、瀾滄江中下流に計画されているカスケードダム第2の発電所で、完成後の総容量は420万キロワット、年間発電量は188億5300万キロワットとなる。国家計画委員会と雲南省政府の要求によれば、2005年に大河を堰き止め、2010年末に一基目のユニットが発電を開始することになっている。
小湾発電所は2002年1月20日に正式に開工し、発電所の完成後には149億1400万立方メートルのダムとなり、発電を主目的として、洪水、灌漑、土砂の堰き止め及び航行など総合的に利用される。これは瀾滄江中下流における「目玉となるダム」である。このダムサイトの地形は地質条件に優れ、高いダム堰を持つ大型ダム建設に適している。ダム高292メートルの小湾発電所は長い年月のあいだ水資源調節を行う能力を有し、この中下流カスケード発電所の中でも最高のダム高を誇る。
またこのダムはコンクリート製で、ダムの背後の貯水湖、二つのダム堰、左岸の排水溝、及び右岸の地下取水発電所から構成されている。
※西電東送事業:中国西部の主要河川に水力発電ダムを建設し(西電)、電力需要の伸びが著しい東部沿岸地帯などに送電する(東送)計画。瀾滄江(メコン河の中国部分)の本流ダム開発は、南部ルートの一部として実施されている。