メニューを飛ばして本文へ移動。

    English site

[メコン・ウォッチ]

ホーム | お問い合わせ | メールニュース登録 | ご支援のお願い


イベント | メコン河とは? | 活動紹介 | 追跡事業一覧 | 資料・出版物 | ギャラリー | メコン・ウォッチについて

ホーム > 資料・出版物 > メールニュース > 中国本流ダム > MRCが影響を軽視

中国本流ダム>MRCが影響を軽視

メコン河開発メールニュース 2004年12月1日

乾季に入って、今年も中国を中心とするメコン河上流開発と下流への環境・社会影響の問題が、大きなトピックとなっています。新任のメコン河委員会事務局長(CEO)は、中国のダムによる下流への影響を前任のクリスチャンセン氏より更に軽く考えているようです。以下、タイの英字新聞の報道です。

メコン河委員会が中国のダムの影響を軽視

PIYAPORN WONGRUANG TUL PINKAEW記者

バンコクポスト、2004年11月20日

メコン河流域の地域の水管理を行う機関(メコン河委員会)は、中国のダムがメコン河の水位に及ぼす影響を軽視しているが、環境グループはこの分析を批判している。

メコン河委員会のOlivier Cogels事務局長は、中国はメコン河の上流で2つのダムを運転しており、更に2つが建設中だと述べた。

中国から下流に流れる水の量が年間約600億立方メートルなのに対して、(運転中の)2つのダム、すなわち漫湾と大朝山を合わせた貯水能力は10億立方メートル以下である、とCogels事務局長は述べた。

「影響が全くないとは思っていない」、しかし影響は無視できるほどだと付け加えた。

これらのダムは雨季に水を貯え、発電のために乾季に放出した。このことが、雨季の洪水を減少させ、洪水から人々を守るという意味で積極的な意味があると語った。

しかしながら、中国と国境を接する下流地域の水位は影響を受けるだろうが、それは地域的に限定的な問題であるとも述べた。

更に、Cogels事務局長は、メコン河委員会は2,3年前から異常な旱魃が起きて以来、現状を明らかにしようと、雨量とメコン河の水文データを調査してきた、と語った。

中国は発電を目的に1980年代後半、メコン河に一連のカスケード式のダムを計画した。メコン河の異常な水位は、1993年に中国の最初のダム(漫湾ダム)が操業し始めた際に、初めてタイのチェンライ県チェンコン郡の漁民によって確認された。

Cogels事務局長は言う。メコン河委員会は中国国境に近い地域において、乾季の水位の上下変動を監視してきた。

メコン河委員会は、流域の水資源管理において、下流域4か国(カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム)の調整機関である。中国とビルマは正式なメンバーではないが、同委員会の対話パートナーとなっている。

Cogels事務局長いわく、中国は影響緩和策を提案するなど前向きな対応を見せてきた。中国の協力を検討するのなら、客観性が必要である。「信頼に基づく関係が最も重要だ」と述べた。

しかし、タイのNGOであるTERRAのWitoon Permpongsacharoen代表は、メコン河委員会は中国のダムによる影響を過小評価していると語った。メコン河の水位は雨季と乾季で非常に異なるのに、(メコン河委員会が示した)データは季節変動に基づいていないと述べた。

水質のアセスメントも真実の姿を知るために行われるべきだと付け加えた。

Witoon氏は、中国で河川生態系に関わる活動をしている人の話として、中国は、ダムの水が予定していた発電を行うのには足らない状態にもかかわらず、ダムから農業用水をひくための灌漑システムを建設している、と述べた。

昨日(2004年11月19日)、バンコクで開催された国際自然保護連盟(IUCN)のハイレベル円卓会合で、中国を含むメコン河流域国の各省代表は、流域の持続可能な発展につなげるために協力を求められたと、シニアなある水管理に携わる情報源は述べた。

その情報源によれば、越境的な環境影響アセスメントは各国の代表者の間で原則として合意され、将来のプロジェクトにおいて実施されるだろうということだ。

しかし、中国を含めた大メコン圏の国々はまた、この地域の政府間組織は、環境保全を十分行っておらず、更なる努力が必要だという点でも合意した。

このページの先頭へ

サイトマップ
特定非営利活動法人 メコン・ウォッチ
〒110-0016 東京都台東区台東1-12-11 青木ビル3F(地図
電話:03-3832-5034 Fax:03-3832-5039 
info@mekongwatch.org
© Mekong Watch. All rights reserved.