ラオスのナムトゥン2ダムに対する世界銀行の支援に目を向けている間にも、メ コン河流域国での電力貿易は進められています。最近中国からベトナムやタイへの電力輸出の記事がいくつか書かれていますが、以下は中国での報道をメコン・ ウォッチの大澤香織が翻訳したものです。
中国国内の水力発電基地と目されている雲南省は、メコン流域国への売電も視野に入れ、積極的に動き出しています。ベトナムにはすでに売電を行っており、今後、自国の需要を満たした後に、タイの電力市場の動向にも応じて売電を行っていくつもりのようです。
北京青年報、2005年2月10日
中国電力部門が提供したデータによれば、雲南の電力網は昨年の秋から冬にかけてベトナムに向けて4943万kW時(49.43ギガワット時)を送電し、中国が周辺国に対して大規模な売電を行う先鞭をつけた。目下のところ、南方電網公司とベト ナム側が協議を結び、ベトナムに対して2本の110kVの送電網を開拓している。今年中には雲南文山からベトナムのハザン省に向けて送電を行うことになっている。
そのほか、中国−タイ両国の電力部門の協議を通じて、双方の企業が合資によって瀾滄江上に景洪(Jinghong)ダムと糯扎渡(Nuozhadu)ダムの建設を行うことが決定している。これら2基の発電総容量は735万kW(7350MW)に達し、完成後は、まず中国東南部沿岸の広東省に送電し、その後、タイの電力市場の状況に応じてタイに向けても送電する。
データによれば、中国雲南省と接しているベトナム北部では近年経済発展の速度がめざましく、毎年10%以上の増加のスピードで電力が増加、巨大な電力消費口が出現している。
昨年末、広西電網公司とベトナムも送電協議を達成した。中国南方電網公司は双方の電力貿易を主として開拓してゆく計画で、中−タイで500kV、中―ベトナムで220kVの送電プロジェクトを推進している。