日本のODA(円借款)とアジア開発銀行(黒田東彦総裁)が多額の融資をしてほ ぼ完成寸前で中断しているタイ・サムットプラカン県の汚水処理プロジェクトが 再び進む気配です。
本件の基礎情報 http://www.mekongwatch.org/env/thailand/klongdan/index.html
本件を含む過去のメコン河開発ニュース http://www.mekongwatch.org/resource/news%20index.html
バンコクポスト
2005年5月12日
KULTIDA SAMABUDDHI記者
タイのYongyuth Tiyapairat天然資源環境大臣は、汚職にまみれて暗礁に乗り上 げているサムットプラカン県のクロンダン汚水処理プロジェクトを進めると発表 し、反対住民に衝撃を与えた。
Yongyuth氏はプロジェクトを完成するのにかかる7億バーツにのぼる費用は、納
税者の負担にはならないと語った。
「タイ政府はプロジェクトを再開するのにびた一文も払わない。しかし、処理後
の水をタダであげるのと交換条件で完成のための費用を民間企業に負ってもらう
よう打診する」、Yongyuth大臣は汚水管理公社と公害管理局(pCD)との会合の
後そのように述べた。
Yongyuth大臣は、pCDの調査をプロジェクトの代替案に組み入れることを検討せ ずに決定したことを認め、すぐにでも230億バーツのこのプロジェクトを操業し たいと語っている。
6500万バーツをかけた(pCDの)調査は先月完成し、来週大臣に提出される。こ
の調査ではプロジェクトに代わる多くの選択肢を提案している。
調査は結論として、プロジェクトを変更することが最も合理的な解決策であるが、
未完の作業を終わらせ、水処理技術を新しいものにするには、更に56億バーツが
必要だとしている。
このプロジェクトは、7年間にわたる激しい地元の抗議や、土地取得と建設契約 をめぐる不正に関する報告を受けて、95パーセントが完成した2年前に中断され た。
反対運動のリーダーであるDawan ChantarahassadiさんはYongyuth大臣の決定を
「大きな過ちだと」述べた。.
「pCDの調査に参加した汚水処理のエンジニアや専門家は、プロジェクトはまず
い建設のされ方をしており、大きな環境被害を引き起こすという私たち住民の見
方を再確認している」と彼女は述べた。
DawanさんはYongyuth大臣に対して、専門家や地元住民の意見を聞かずに行った 決定を再考するよう求めている。
「政府がやる必要があるのはプロジェクトを蘇らせようとすることではなく、審
理を早めて行い、政府高官や政治家を含む犯罪者たちを法に照らして処罰するこ
とだ」と彼女は言った。
pCDの高官も驚きを隠さない。 Apichai Chvajarernpun局長は、「我々は大臣がそのような決断をするとは思っ
ていなかった」と話している。
Apichai局長は、民間投資家を探して、施設を運営する企業に水を売るという Yongyuth大臣の考えは、地元の行政や関係する機関とよく相談する必要があると 語った。
一方で大臣は、プロジェクトの設計過程に関与した政府職員に対する新たな調査 が開始されると話している。