ホーム > 資料・出版物 > メールニュース > メコン南北回廊 > 2007年中旬にバンコク-昆明開通
バンコクから昆明までを幹線道路で結ぶ「南北経済回廊」を完成するため、中国 政府の支援でラオス北部の国道建設が進められており、2007年中旬にも開通が予 想されています。
この国道建設に関わる問題についてはメコン・ウォッチのメールニュース「メコン南北回廊>住民移転後6月にも着工」 をご参照下さい。
以下は、タイ字新聞のプージャッカーン紙の記事をメコン・ウォッチの土井利幸 (バンコク)が翻訳したものです。
タイ・プージャッカーン紙2005年7月29日(原文タイ語)
【日刊プージャッカーン】国道「アー・サーム」(A3)建設がタイと中国の支援 で進展し、タイから中国南西部雲南省への交通と運搬にかかる時間が短縮され便 利になる。ラオス政府の担当官は、この幹線道路が2007年中旬には完成するだろ うと語った。
国道A3の最終部分ラーン川から中国国境のボーテン検問所まで66.4キロ区間の工 事は中国政府の支援で昨年(2004年)8月に開始され、建設費は約2800万米ドル。 完成までの工期に26ヶ月かかる見込みである。ラオス政府の道路橋梁局のある担 当官の話として、これまでに国道A3の最終部分の工事はほぼ半分が完了しており、 これは昨年6月の中国・ラオス協力合意への署名で大きく前進した、とビエンチャ ン・タイムズ紙は報じている。
国道A3は中華人民共和国南部と東南アジア諸国、とりわけタイを結ぶ重要な役割 を担った道路である。またラオスもこの幹線道路により多大の利益を得る。それ は特にラオスが地域内を「結びつける国」となる政策を掲げているからである。 ラオス政府の担当官は、国道A3がラオスの人々の生活向上や観光産業にとって重 要な役割を果たすだろうと述べた。ラオス政府のビアンサヴァット・シーパンド ン道路橋梁局長も、国道A3が南北経済回廊の一部で、ラオス・中国両政府は雲南 省道路橋梁建設公司に最終区間の建設を委託したと述べた。完成は来年(2006年) と決まっている。
国道A3はタイのチェンライ県チェンコン郡の対岸にあるボーケオ県フアイサイを 起点とし、ルアンナムタ県を通り、ボーテン検問所で中国国境に達する全長227 キロの道路で、工事区間が海外からの援助資金によって3区に分かれている。タ イ政府はラオス政府に対してタイ国境のフアイサイから84キロの工事費用として 1980万米ドルの援助を供与した。工事は昨年9月に開始されこれまでに15%が完 了。工期は33ヶ月の予定である。中央部分76.8キロについてはラオス政府がアジ ア開発銀行(ADB)から1640万ドルの低利融資を受けている。工事は今年7月に開 始され、これまでに約21%が完成【訳注1】。工期に34ヶ月を要する予定である。 これによって国道A3は2007年中旬までには全面開通できるとビヤンサヴァット局 長は語った。
一方、日本政府もラオス政府に対して北部ポンサリ県の国道1号線建設の目的で 1850万ドルの援助を行うことになった。これでルアンパバーン県を起点としてボー テン検問所北側の中国国境への近道ができる。ラオスのソムサヴァート・レンサ ヴァット副首相兼外務大臣が7月27日(水)にビエンチャンで行われたラオス− 日本外交関係樹立50周年祝賀の席で、この国道1号線の改修・拡張への協力合意 に日本の逢沢一郎外務副大臣とともに署名をしたとラオス国営通信は伝えている 【訳注2】。逢沢副外務大臣は、ASEAN諸国をはじめ23ヶ国の外相が出席する ASEANプラス3外相会議やアジア太平洋の平和と安定に関する会議に出席するため ラオスを訪問した。
【訳注】
1. 原文には「今年7月」とあるが、「昨年(2004年)7月」の誤りであろう。
2. 日本政府外務省側で本件に該当すると思われる発表では、 「ビエンチャン1号線整備計画(第1期)に対する無償資金協力」となっている。