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スレポック川ダム>国際協力銀行が融資検討中

メコン河開発メールニュース 2005年11月16日

ベトナムからカンボジアに流れるメコン河の国際支流のスレポック川。そこに建設が進められているブオンクオップダムの機材供与を、日本の住友商事が受注しました。

これに対して、国際協力銀行(JBIC)は、ベトナム電力公社が住友商事から機材を輸入する代金に充てる融資を検討しています。

現在、JBICを含む政府系金融機関の統廃合が政治的なテーマになっていますが、すでに民間ベースでタービン購入などをしているベトナムに対して、わざわざ住友商事からの輸入代金を融資する必要があるのか疑問があります。

また、スレポック川と平行してベトナムからカンボジアに流れるメコン河の国際支流のセサン川では、ベトナム側が建設したダムによって、カンボジア北東部では深刻な環境・社会被害が発生しています。そのため、カンボジアのスレポック川沿いに住む住民たちは、このダム機材への融資に反対するとともに、JBICに対して、自分たちを利害関係者と認めて話を聞きに来るように求めています。

以下は、住友商事がベトナム電力公社との間で機材供与の契約を結んだニュースを、メコン・ウォッチで越境環境問題を担当している大澤香織が翻訳しました。

日本企業、スレポック川での水力発電ダム機材に投資

ベトナムニュース 2005年7月8日

DAC LAC発

日本企業の住友商事は7月6日、ベトナム電力公社(EVN)に電気機材を提供する920万ドルの契約を結んだ。

契約によれば、住友商事はDac Lac省のブオンクオップ水力発電所に対して2基の140MWのタービンと関連機械、さらに専門家の指導及びこれらのタービンを装着するための監督を提供する。

ベトナム電力会社の水力発電管理ユニット(HPPMU)No.5の職員によれば、2基のタービンは42ヶ月間で装着が完了するとみられており、年間14億5800万kWの電力を生み出す。

契約は2003年12月に建設が始まった水力発電建設事業の一部で、2兆6000億ベトナム・ドン(3億ドル)である。事業開始以来、この建設サイトではダム、放水路、排水溝システム、発電所それ自体の建設が進展してきている。

2008年の完成時には、2基のタービンによって生み出された電力は国家電力網に繋がれる予定である。

「これは280MWのブオン・クオップ発電所にとってもっとも重要な契約のひとつだ。この発電所はベトナム中央高原でHPPMU No.5 によって管理されている最大の発電所事業だ」事業管理者である Nguyen Cuong Lam氏は語った。

Lam氏はまた、水力発電事業は中央高原のDac LacとDac Nongで数千ヘクタールもの土地を灌漑し、スレポック川沿いのCu Jut地方は観光客をひきつけるのに役立つと言う。

ブオンクオップ水力発電所はまた、将来ベトナムが直面するであろうエネルギー不足緩和に役立つ。ベトナム電力公社の最高責任者、Pham Le Thanh氏によれば、ベトナムは過去数十年間で年間15%という高い経済成長率を記録しており、急激な経済成長は電力への大きな需要を生む。

増大する電力需要を満たすため、ベトナムは水力発電事業を含む新たな発電所を探さねばならない。これは2008年までに1300MWから1500MWを生み出す可能性がある。

ブオンクオップ発電所は2008年中旬に操業を始め、ベトナム電力公社の電力不足を緩和するのに役立つと見られている。2008年までにベトナムはブオンクオップのようなダムが5基から6基必要だ、とThanh氏は言う。

Thanh 氏はまた、HPPMU No.5 と住友商事によって結ばれた契約は、ベトナムでの電力事業への最初の輸出信用入札(住友商事はベトナム公社に対し機械を貸付として提供した)によるものであるため、非常に重要なものだと述べた。

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