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ベトナム・セサン川ダム>女性活動家 暗殺未遂事件

メコン河開発メールニュース 2005年12月20日

少し前の話ですが、カンボジア北東部のラタナキリ州で、ダム・チャンティさんという女性活動家が暗殺されそうになり、捜査していた地元の警察官が射殺されるという事件が起きました。

以下の記事にある通り、ダム・チャンティさんは、ラタナキリ州で高地民の権利を守るために活動してきました。その1つとして、ベトナムから同州に流れるセサン川に建設されたヤリ滝ダムによる、深刻な社会影響の解決に取り組んできました。2003年11月に国際協力銀行(JBIC)が主催してハノイで開催した「過去のダムの教訓に学ぶセミナー」では、ベトナム政府やJBICの関係者に向けて、ベトナムのヤリ滝ダムによるカンボジア側での被害について力強く語り、参加者の共感を呼んでいました。

カンボジア北東部では、道路建設やエコツーリズムなど、土地の利権にからむ開発事業が進行中です。また、セサン川と同様にベトナムからラタナキリ州流れるスレポック川のベトナム側に建設中の水力発電ダムに、JBICが融資を検討しています。

開発事業に対して疑問をはさめば命が危ない、そのような国で、「参加型開発」が本当に可能なのか・・・。適切な環境・社会配慮を求める市民社会の訴えに、しばしば日本政府・援助機関は、政治的な働きかけは内政干渉になると言います。しかし、こうした事件が起きるカンボジアで開発を進めること自体、すでに政治的な行為であり、内政に深く関与していることを自覚するべきではないでしょうか。

ラタナキリ州での射殺事件、暗殺者の詳細

2005年7月21日、カンボジア・デイリー

Phann Ana&Lee Berthiaume記者

7月17日、ラタナキリ州で一名の警官が銃で撃たれ、命を落とした。警察によれば、撃った男は活発な発言で知られる少数民族のリーダーを探して殺そうとしていたとみられている。

18日、州警察のHor Ang副署長は事件の様子について発表した。Bokeo地方警察署のButh Sophat副署長ほか、数名の警官は、事件当日、高地民協会(HighlanderAssociation)の指導者、ダム・チャンティさんを探しまわっていた男の自宅を訪れたという。

Hor Ang副署長によれば男はNyという名しか特定できていないが、午後4時に警官らが到着した時、自宅の前でワインを飲んでいたという。警官がこの男に地方警察本部に来るよう言うと、彼はシャツを取りに行くので家の前で待ってくれ、と頼んだという。家の前で警察用オートバイにまたがっていたButh Sophat副署長は、家の中からの発射されたAK−47型の銃で胸部を撃たれた。他の警官は救援を頼みに走った。射撃した男は家の中から歩み出て、Buth Sophat 副署長の腹部を2回撃ち、走り去った。

副署長は即死し、男は未だ警察につかまってはいない。

「われわれはこの事件の解決に力を入れている。事件に関する情報は州警察全体に伝えられた」とHor Ang副署長は述べた。

2日前、2人の男がBokeo地方にあるBokeoの街から3kmほど離れたダム・チャンティさんの農場を訪れ、ダム・チャンティさんはどこかと尋ねた、と彼女は言う。

「兄は2人の男に、妹は今日は帰ってこない、と伝えました」とダム・チャンティさんは言う。ダム・チャンティさんは、少数民族の村人たち向けに土地の権利について何年も教育をおこなってきた。

2人の男は16日朝にふたたびやってきて、同じことを尋ねた。そのNyと特定された男は銃を持っていた、と彼女は言う。

しかしその晩、彼らはふたたび農場に訪れ、彼女の兄にAK-47銃を突きつけた。

彼らはふたたび私のことを尋ねました、とダム・チャンティさんは、言う。「兄は彼らに、私は不在で、その日私は帰ってこないと告げました」。

男のうちのひとりは彼女の兄に対して、もし自分たちが来たことを警察に告げれば銃殺する、と脅しました。ダム・チャンティさんは言う。

「男たちは兄に対して怒りをぶつけ、兄の足のあいだを銃で撃ちました」。

男たちは兄に対して、ダム・チャンティさんを殺すために雇われたのだと言ったという。男たちが訪れた時、彼女が農場にいなかったのは単なる偶然に過ぎない、と彼女は付け加えた。

「もしその場にいれば、私はきっと殺されていたでしょう」とダム・チャンティさんは言う。「私はたいてい土曜日に農場に行きます。時々は夫と一緒に」。

翌日、ダム・チャンティさんは地元と地方の警察に届け出て、すぐにButh Sophat警官らが Ny の自宅に行くため派遣された。

「これは私の命を狙った暗殺です」とダム・チャンティ氏は言う。「私も、家族も、誰かに殺される覚えのあるような個人的争いは起こしたことはありません。私は自分の身の安全について、とても懸念しています」。

警察は、2人目の男の情報を持っているかについて明らかにしていない。

地元代表のPen Bonnar氏は、ラタナキリ州の人権活動家は、しばしばその活動がカンボジアや隣国の有力政治家らと、辺鄙な地方の開発をめぐって対立するため、その活動を脅かされてきた、と語る。

「彼らは人々から土地を奪うため非合法な手段を使います」と、たいてい事務所の鍵を一日中かけたままにしているPen Bonnar氏は語る。「彼らは売り払うために、土地を手に入れたいのです」。

実際、誰かがNGO職員を殺そうとして、代わりに警官が殺されるのを目撃すれば、それは新たなレベルの恐怖を生む、と彼は付け加えた。

「これはNGOにとって、とても危険なことです」彼は言う。

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