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ラオス・ダム>ベトナムによるセカマン3ダム開発

メコン河開発メールニュース 2006年1月30日

日本からの多額のODAを電源開発に使っているベトナムが、隣国のラオスには自前の投資で水力発電ダムを建設する計画を進めています。すでに現地ではダムを見越した激しい森林伐採が行われており、住民生活が脅かされ始めているようです。

豊かな森林などの自然環境や自然資源に依存した住民生活への多大な悪影響が心配される一方で、他国の水力発電ダム開発を行う資金力があるベトナムに、どうして日本は多額のODAを電源開発に投じないといけないのか、疑問でなりません。

以下、メコン・ウォッチの東智美の解説とラオスの英字新聞の翻訳記事です。


ベトナム電力公社(EVN)を含むベトナムの国営企業連合であるベトナム−ラオス電力投資開発会社は、ラオス南部のセコン川に6つの水力発電ダムを建設する計画を進めています。これらの計画については、住民の生計手段の破壊、生態系への影響、森林伐採などの問題が懸念されています。

ところで、日本政府は2003年度にはベトナム政府に対し、793.30億円の円借款を供与していますが、そのうち発電部門への供与額は526.61億円と3分の2を占めます。ベトナム政府は、自国のエネルギー開発は援助でまかないながら、隣国ラオスのエネルギー開発を進めようとしているのです。

ラオス電力公社(EDL)とベトナム−ラオス電力投資開発会社が、セカマン3ダム建設事業を進めるための株主協定に調印したというビエンチャン・タイムズとKPL(ラオス国営通信)のニュースです。

ベトナムへの電力輸出を狙うラオス

ビエンチャン・タイムズ、2005年12月30日

Soudalath Phonpachith記者

セコン県のセカマン3水力発電プロジェクトは、2009年までにベトナムへ電力を輸出する計画である。

ラオス電力公社(EDL)は、ベトナム−ラオス電力投資開発会社と、両国へ電力を供給するこの水力発電プロジェクトを進めるための株主協定に調印した。

プレス・リリースによれば、ラオス政府とベトナム政府は2010年までにベトナムに2000MWの電力を輸出するというMOU(覚書)に調印している。

セカマン3水力発電プロジェクトは、このMOUの下で最初に実施されるプロジェクトとなる。

プロジェクトはラオス南部のセコン県のダクチュン郡に位置する。

セカマン3ダムの発電能力は250MWで、年間1000GWhの電力を発電することになる。プロジェクトの総費用は約2億7300万ドルとなっている。

来年(2006年)には建設が開始され、2009年までに完成する予定である。

「約90%の電力がベトナムに輸出され、10%は地元で使われることになる」とラオス電力公社のジェネラルマネージャーのViraphonh Viravong氏は語った。

Viraphonh氏は、両国に電力を供給するこのプロジェクトは、ラオスとベトナムの良好な関係を反映していると語った。

ベトナム−ラオス電力投資開発会社のLee Van Ton氏は調印式で、「(セカマン3水力発電)プロジェクトは2003年に実施可能性調査を開始し、2004年に両政府に対する報告を完了した。そして、今日、我々はEDLとプロジェクトを進める株主協定に調印した」と語った。

Lee氏は、ラオス政府および工業手工芸省や他の関係省庁の良好な協力と支援のお陰で、契約に関連する交渉は成功し、プロジェクトを進めるためにセカマン3水力発電株式会社が設立されたと語った。

「8月にはプロジェクトの建設を開始したい」とLee Van Ton氏は言う。

株主協定の下、EDLが15%の株式を所有し、ベトナム−ラオス電力投資開発会社が残りの85%を所有する。

セカマン3水力発電プロジェクトは、セコン県において発電用のダム建設に着手する最初のプロジェクトになる。

ベトナムの投資家は、ベトナムへの電力輸出を目的として、ラオスの5つの水力発電プロジェクトへの投資に関心を持っている。

現在、ラオスには11の水力発電ダムがあり、1975年には2億4700万Kwhだった電力量は、15億4100万Kwhになっている。

今年(2005年)の最初の10ヶ月間で、ラオスは水力発電による電気の輸出によって、1900万ドル以上を稼いだ。

ラオス政府の電力開発計画によれば、ラオスの中で電気が使える世帯は、2005年の45%から2010年には70%になる。さらに、統計ではその後10年で90%に達すると予測されている。

ラオス政府は、ラオスが周辺地域の電力の中心となることを目指している。

ラオス、ベトナムとともにセカマン3ダム建設に出資

KPLニュース、2006年1月3日

12月28日、工業手工芸省のOnneua Phommachan大臣出席の下、ラオスの首都ビエンチャンで調印された両企業の間の協定によれば、ラオス電力公社とベトナム−ラオス電力開発会社は、合同でセコン県のセカマン3水力発電ダムの建設に着手する。

ラオス電力公社は15%の株式を所有し、ベトナム−ラオス電力開発会社が85%を所有する。この合弁企業の資産は2億7500万ドルで、協定は30年間継続される。

この発電所の発電能力は250MWで、発電される電力の90%はベトナムに輸出され、10 %はセコン県で使われる。

ラオス電力公社のジェネラルディレクターのVilaphon Viravong氏は、セカマン3ダムの建設は、両国の国民に電気を供給することを目的としており、この合弁事業は、ラオスとベトナムの経済協力をより強めるだろうと語った。

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