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タイ・シリントンダム>住民たちが国会前に座り込み

メコン河開発メールニュース 2006年3月3日

タイでは、タクシン首相の株取引やメディア規制などに反発するバンコクの市民や知識層が、首相の退陣を求める大規模なデモが週末に開かれ、日本でも大きく報じられています。そうした中で、タイの住民運動のネットワークである貧民会議が、こうした中産階級の反タクシンの運動とは一線を画し、政府の開発事業によって引き起こされた問題の解決を求めて、国会前での座り込みを始めました。

以下、この問題を追い続けているメコン・ウォッチの木口由香の報告です。

貧民会議(サマッチャー・コンジョン)バンコクで座り込み開始

2006年2月20日、政府開発事業の影響を受けた住民運動グループのネットワーク、貧民会議がバンコクの国会前で座り込みを開始しました。タイは現在、日本の各紙が報道しているように、タクシン首相の退陣要求の運動が起きています。1992年の「5月の流血事件」で政府と対立した元軍人・政治家のチャムロン氏が率いる宗教団体や高校生までに広がってきました。

貧民会議は反タクシン首相運動が盛り上がる前から、問題に対応しない政府に対し、抗議運動を行う予定でした。メディアの報道は、「貧民会議も反タクシン陣営に参加」と報じていますが、住民の要求は以前と変わらず、政府の事業によって失った土地の返還や、土地権の獲得、ダム建設による影響の解決などです。

21日民主記念塔前でアピールした際のプレスリリースには、「私たちは、食べていける、貧困者の参加のある民主主義を求めています」とあります。不透明な政治状況から、今回の抗議がどれほどの期間になるか、住民の要求がどれほど政府に届くかも誰にもわからない状態だといいます。

今回の抗議には、日本の援助で1960年代後半に建設されたシリントンダム(ラムドムノイダム)の影響住民も60名が参加しています。軍事政権下で建設されたこのダムは、正当な補償を支払わず住民を半強制的に移住させました。ほとんどの人が農耕に適さない移住地から離散し貧困化、1997年の民主憲法が発布されるまで自分たちに正当に補償を受ける権利があるとも知らずに30年耐えてきました。その後10年、住民は15ライ(1ライ=0.16ha)の補償を求めてきました。それは、何度も閣議で認められていますが、タイの複雑な官僚組織やタクシン首相の心変わりなどで未だに人々の手に届いていません。

国会前で座り込みをしているリーダーは、「不毛な移住地で生活できず、自分たちは森を切り開いて農地を得たのです。それがどれほど大変で、貧しい私たちのとって大きな投資であったか」といいます。心臓に持病を抱えながらも路上生活の抗議に参加した彼は、「ダムに援助する人には、人々が移住をして生活を立て直すことがどれほど大変なことか想像して欲しい。金を出す人がいなければ、ダムはできなかったのだから」と話しているのです。

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