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メコン河開発メールニュース 2006年3月9日
日本の対ベトナムODAは、2003年に支払った分が484億円で、インドネシア、中国、フィリピンの次いで4番目に多い国です。率にしてODAの8パーセントをベトナムに振り向けています。
とは言っても、ベトナムの社会発展計画に必要な資金から見れば、年平均で必要な280億ドルの70分の1に過ぎません。被援助国の経済規模を考えれば、ODAの期待と評価が日本国内では過大すぎるという見方もできます。
以下のニュースは、今現在、ベトナム政府がODAをどう捉えているかを伝えています。
ベトナム・ニュース
2005年12月15日
ベトナムのVo Hong Phuc計画投資大臣によると、ベトナム政府は2010-25年には政府開発援助(ODA)の融資を次第に減らしていく計画だ。
「ODA融資を減らすことは、ベトナム経済を発展させるための国内資金を開発するという政府の方向性の一部分である」と大臣は言う。
Phuc大臣は、タイやマレーシアやインドネシアなど他のアジア地域の国々も、経済の発展に伴って同じような方向に進めたと言及した。
ベトナムの2006-10年の社会発展計画のためには1400億ドル以上の資金投入が必要だとされる。そのうち65パーセントは国内資金で、35パーセントは海外直接投資とODA融資でまかなうつもりである。「将来的にはODA融資の重要な部分は、主に病院や学校の建設や、遠隔地・農村部で飢餓をなくし貧困を削減する活動に使われるようになるだろう」。ODA資金はまた都市部、農村部、工業団地、それに水不足の危機にある河川の環境改善などに使われるだろう。
Phuc大臣によれば、2006-10年に、22億ドルのODAが農業、灌漑、漁業、農村開発、それに飢餓の撲滅や貧困削減活動に費やされる。約19億ドルはエネルギーや他の産業に使われる予定である。ODAのうち、総額36-41億ドルは運輸省と通信省に、43億ドルは医療・教育・研修・環境・科学技術に向けられる。
ODA供与国・機関はベトナムのODA資金の活用を称えているとPhuc大臣は述べた。「我々ベトナムの計画はコミュニティによって、コミュニティのために作られ、コミュニティによって実施されている、そうドナーは言っている」、Phuc大臣はそう語り、国際援助期間はベトナムを世界でもより良いODA融資利用国の1つであり、政府がODA融資の支出を計画通りに行っていると述べた。
「2005年、ほとんどのODA事業は予定通り実施され、その結果時宜を得たODAの支出となった」とPhuc大臣は語った。「ベトナムのODA事業はドナーによって管理されている。支払いの手続きは非常に簡素化され、透明性を以って実施されている」。ベトナムの政府機関とドナーはまたODA事業が財政面での損失を起こさないように効果的な監督を行っている、と述べた。
過去5年間、ODAはベトナムの総投資資本の11パーセントを占めている。
2001-04年の間、ベトナムを支援するために110億ドルを超えるODAが約束され、そのうち78億4000万ドルが支払われた。