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カンボジア・キリロムダム>中国支援のダムが水不足で閉鎖

メコン河開発メールニュース 2006年3月17日

中国輸出入銀行の融資により中国企業が2000年に建設を請け負ったカンボジアのキリロム・ダムに関する情報です。

以下、メコン・ウォッチの大澤香織の解説と翻訳記事です。


以下に紹介する1本目の記事では、ダムの経済性への疑問が指摘されている一方、ダムの発電量が落ちたのは「気候変動のせい」とするカンボジア産業省の弁明が紹介されています。

2本目の記事はこの発電所の建設が2000年に契約された時の記事です。中国輸銀がCETICの海外における事業を積極的に支援した様子が分かります。

中国とカンボジアは2005年11月にも水資源の分野で協力を深める覚書を結んでおり、今後も中国企業によるダムへの投資とその環境社会面での影響が注目されます。

キリロム水力発電所閉鎖が議論を再燃

(Ethan Plaut and Thet Sambath記者、 カンボジアデイリー、2006年1月24日)

コンポンスプー州のキリロム水力発電所の乾季の閉鎖によって、この事業は無駄だとフンシンペック党とサムレンシー党の議員が2000年に提起した認識が正しいことが証明された、野党のソンチャイ氏は月曜(1月23日)にそう述べた。

プノンペンは、例年の水不足により2006年初めに起きた11メガワットの発電所の操業中断に引き続き、プノンペンにある10メガワットを供給する2基の発電機の修理が行われたため、電力不足に見舞われた。

「これはわれわれは当初から政府に警告していたことだ」、ソンチャイ氏はキリロム発電所について述べている。「この発電所は通年、電力を供給するはずだった」と彼は言う。質の低い建設、高い電力コスト、投資企業である中国電気技術輸出入会社(CETIC)【注】への政府保証のための支払い要求など、発電所にまつわる数多くの問題は、2000年にすでに予想されていた、とソンチャイ氏は述べる。彼はまたヨーロッパ企業が1990年代半ばに提案した1100万ドルの事業が、中国による2500万ドルの入札を選んだために断られたことも付け加えた。

産業省の水力発電部の副部長Bun Narith氏は中国企業との取引について、1000万ドルは当時、発電所を修理するため、1500万ドルはプノンペンへの送電を行うために必要だったと弁明した。

「1994年、スウェーデンとオーストラリアはダムへの無償資金協力を計画していたが、1995年にカンボジアの治安が悪化したためこの計画は中断した」とBun Narith氏は述べる。「CETICは他企業からの入札が無かったために、この事業を行うことになった。」と彼は言う。

産業省のIth Praing副大臣(Secretary of State)は、気候変動によって発電所への水供給が減ったのだと言う。「充分な水さえあれば、電力は供給できる。」と彼は言う。またIth副大臣によればCETICと政府は、雨期の終わりと乾期の初めに上流の貯水湖から放水し、発電所の年間操業期間を延長することができるかどうか検討している、という。

【注】中国電力技術輸出入公司(CETIC)は国家電網公司持ち株子会社で、主な業務範囲は国際的な建設事業請負と労務、輸出入貿易、国際入札購入など世界中で225の国際請負事業を実施、輸出入業務と海外貿易は長年、中国における輸出入額が最大の500企業に入る。国際事業請負についてはアジア、アフリカ、アメリカ大陸、中東などの地域で実績がある。アフリカでの汚職事件が問題となった。CETICのカンボジアでの操業についてはリンク先参照。

カンボジア水力発電への中国の借款

2000年12月11日、チャイナ・デイリー

中国輸銀(China Exim Bank)はカンボジアにおけるBOT方式の水力発電所建設事業のため中国電気技術輸出入会社(CETIC)に対する1550万ドルの融資を提供することに合意した。

450万ドルと9150万元(1100万ドル)の融資はキリロム1水力発電建設のために使われる。これは中国電力事業における最初の海外BOT事業である、とCETIC社長のYe Yingchun氏は述べる。

事業は投資総額1940万ドルで、完成翌年から6400万kW/時の発電が可能となる。

「中国側はこれを30年間の借款として操業し、その後はカンボジア政府に引き渡す」とYe氏は言う。

この事業は中国の機械や電気製品輸出の増加と中国―カンボジアの二国間関係構築のために重要な役割を果たしている。

Yang Zilin中国輸銀総裁は、中国輸銀は主要輸出信用機関(ECA)として、これまで常に電気、機械、ハイテク製品などの輸出を援助してきた、と述べる。

「中国輸出入銀行は中国企業の海外における活動を強め、助けることを目的としている」とYang総裁は言う。「われわれはより多くの企業が輸出戦略を実行し、輸出を強化することを助ける計画だ」。

中国輸銀は2000年度に300億元(36億ドル)の支援を行い、1999年に比べて12%増加した。

Yang総裁は輸出入信用、優先的融資、保証など様々な金融手段を使って大企業の海外における工場建設、貿易、資源開発事業を支援してきた。

中国輸銀は2000年に268億元(32億ドル)を貸し出し、103億ドルの輸出を契約ベースで貸し出してきた。また、輸出企業が金融リスクを回避するのも助けてきた。

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