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メコン河開発メールニュース 2006年3月24日
初期のメコン河開発の中で、完成までたどり着いた数少ない事業のひとつがラオスのナムグムダムです。完成は1960年代の終わりでした。このナムグム川が、いまやタイを始めとする国際的な『ダム屋』たちの草刈場と化しています。
以下、メコン・ウォッチの東智美による翻訳記事です。
ビエンチャン・タイムズ、2006年3月16日
ラオス政府は、タイの東南アジアエネルギー社(SEAN)がラオス・ビエンチャン県のナムグム2水力発電プロジェクトを開発することを承認した。
1995年に完了した調査に基づき、火曜日(3月14日)にプロジェクトが認可された。このプロジェクトのコストは約7億9000万ドルで、ラオス政府とSEAN社の合弁事業である。
SEAN社の会長は「ラオスが株式の25%を所有し、我が社が75%を所有する。我が社は、5年間の建設期間を含み32年後に、(ラオス政府にプロジェクトを)譲渡する」と語った。
ナムグム2水力発電プロジェクトの発電能力は615MWで、毎年2,300GW時の電力がタイに輸出されることになる。
Plew Triviscacet氏は、「もし需要があれば、電気はラオスに買い戻される」と語った。SEAN社の役員であるVan Hoang Dao氏によれば、ナムグム2ダムの調査は、約500万ドルを費やし、1992年から1995年に行われた。しかし、タイ発電公社(EGAT)が電気を購入すると申し出るまで、何年間も電気の買い手がつかず、建設は始まらなかった。
最近、ラオスは中国の投資企業とナムグム5水力発電プロジェクトを開発する契約に調印した。このプロジェクトの価値は1億6800万ドルの価値で、シェンクアン県に位置している。発電能力は60〜100MWとなる。建設は来年から始まり、2009年に完成する予定である。投資企業は、電力を国内用に売ろうと交渉することになる。
電力局の局長であるHoumphone Bulyaphol氏によれば、ラオスはビエンチャン県のナムグム3ダムとシェンクアン県のナムグム4ダムの建設も計画している。
「ナムグム3ダムは調査の段階を完了したが、タイの買い手と討議中のため、まだ建設は始まっていない」とHoumphone氏は語った。
ナムグム4ダムの基本調査はもうすぐ完成するところで、今は投資企業を待っているところである。政府の電力開発計画によれば、2005年に電気を使える世帯は、ラオスの全世帯の約47%である。これを2010年には70%に、10年後には90%に引き上げることになっている。
ナムグム2水力発電プロジェクトの契約は、工業手工芸省、計画投資委員会、大統領府、在ラオス・タイ大使館の役人およびSEAN社によって署名された。