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中国の融資>世界銀行総裁が批判

メコン河開発メールニュース 2006年11月12日

最近、中国政府の海外経済協力や中国の金融機関による後発発展途上国への貸付が拡大し、国際機関からは、経済・財政面、環境面、人権・社会面で問題が指摘されています。メコン河流域国でも、ラオス、カンボジア、ビルマのダムや道路開発をめぐって同様の批判が聞かれます。

以下は、世界銀行総裁による厳しい批判を報じたフィナンシャル・タイムズ紙の記事を、メコン・ウォッチの後藤歩が翻訳したものです。

なお、中国外交部のスポークスマンLiu Jianchao氏は、「中国の経済援助がアフリカでの人権侵害の状況を考慮していないという事実は認めない」「根拠がない」と反論しています。その一方で、中国は他国の内政に干渉はしないし価値観を押し付けることもない、とも付け加えており、どこまで環境社会配慮をおこなっているかは分かりません。

世界銀行が中国による貸付を厳しく批判

ファイナンシャル・タイムズ、2006年10月23日
Francoise Crouigneau記者、Richard Hiault記者

世界銀行のPaul Wolfowitz総裁は、中国および中国の銀行がアフリカ諸国へ資金を貸し付ける際、人権や環境基準を無視していることを痛烈に批判した。

Wolfowitz総裁は、中国の銀行は、民間銀行の融資事業が一定の環境社会基準を満たすことを約束する自発的な行動規範、いわゆる「赤道原則」を無視していると述べた。このガイドラインは2003年、世界銀行の民間セクター部門を担当する国際金融公社(IFC)の指導のもとに試行された。世界中の商業銀行の80%近くがこのガイドラインを適用している。

パリで発行されているファイナンシャルタイムズの姉妹紙Les Echosに対してWolfowitz総裁は、中国のメガバンクはこの(赤道)原則を「尊重していない」と述べた。

アフリカでの中国銀行による貸し付けには、「このような種類の動きは比較的新しいことかもしれない。しかし、中国の銀行は、過去にフランスおよび米国がMobutu大統領のザイールで犯したような同じ失敗を繰り返してはならない」、とWolfowitz総裁は述べた。Joseph Mobutu Sese-Seikoは、米国の支援を受けた1960年のクーデターによって、ザイール(現在のコンゴ民主共和国)の統治者となったが、世界銀行を含む欧米の銀行や機関から多額の資金を借りた後、国を破産させた。

Wolfowitz総裁は、世界銀行はこの問題について中国と「極めて直接的」な対話の機会を持ったと述べたが、合意には達しなかったことを示唆した。Wolfowitz総裁は、「しばらくしてお互いの視点が合致することを望んでいる」、と述べた。

世界銀行総裁はまた、中国、インド、ベネズエラによる、債務削減の恩恵を受けた貧困国への貸し付けを懸念していると述べた。「債務削減の恩恵を受けた諸国が再度深刻な債務を抱えることになる真のリスクがある」と述べた。

Wolfowitz総裁は、世界銀行は、借り入れ国が背負い込むことができる長期の債務の額を制限することで問題をコントロールするべく、全力を尽くすと述べた。
しかし問題は複雑であり、多くは新しい融資がどのように使われるかにかかっている、と述べた。

「もし大臣らが豪華な車を購入するための借金であれば、それは悪い借金である」。 「一方で、良い借金は大きな利益をもたらし、国家歳入を増やし、将来的に債務返済を容易にする。融資側と借りる側が何をしているのかを知るため、全ての詳細を明らかにすることが重要である」、とWolfowitz総裁は述べた。

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