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メコン河開発メールニュース2007年3月24日
メコン河上流域(雲南省から北ラオス)に大型船が航行できるようにするための河床の浚渫や沿岸の港工事が進んでいます。軍事政権下のビルマでは、埠頭建設のための立ち退きも行われているようです。
以下、中国新華社通信の報道をメコン・ウォッチの大澤香織が抄訳したものです。なお、ラオスやビルマの地名表記につきましては、香港の李育成氏が情報を提供して下さいました。
2007年2月12日、新華社雲南チャンネル抄訳
2007年末までに、瀾滄江国際5級航路が全面的に完成し、同時に中国、ラオス、ビルマ(ミャンマー)、タイ4カ国の大型船舶が航行可能となる。
これは本社記者が昆明で先日行われた「雲南省交通工作会議」で得た情報である。雲南省交通庁の楊光成庁長は、瀾滄江−メコン河国際航運の開発利用は中国がアセアン諸国と経済協力を強める具体的な現われだ発表した。
楊光成庁長は、建設の始まる5級航路は主に景洪港から、中国ビルマ243号国境までの71キロメートルの行路で、航路上にある20の難所の整備が必要となる。2006年、瀾滄江国際航運5級航路建設の主要な部分の建設はすでに工事を終えており、海事及び船員の建設実行可能性調査はすでに国家海事局及び、省の関連部門の審査を通過、関累埠頭の多用途バース(訳注:停泊する位置)建設の準備事業が整った。
雲南省航務管理局によると2000年、中国、ラオス、ビルマ、タイは『瀾滄江−メコン河商業航行協定』に署名し、6項目の規則を制定すると同時に2001年6月には雲南省西双版納自治州景洪市にて4ヵ国商船の正式な航行式が執り行われた。
4ヵ国の商業船航行の安全性の問題を解決するため2002年3月から2004年5月、中国政府の資金提供により、中国、ラオス、ビルマ、タイの4ヵ国は合同でメコン河航路の整備事業を行った。雲南省航務管理局の喬新民局長によると、この後、4ヵ国の船舶がメコン河のこの部分で大きな事故はなく、航行の安全性が確保されている、という。
中国国境内での船舶の運搬量はもとの150トンから200‐300トンに向上し、350トンの優先貨物フェリーへの投資と生産を始めており、コストも30%前後下がった。同時に運搬量の大幅な増加がみられた。中国港湾埠頭統計によると、2006年の国際貨物運搬量は50万トンに達し、客運はのべ1.6万人にのぼった。
4ヵ国航運市場の投資は熱を帯び始めている。雲南省航務管理局の統計によると、現在すでに客運に関しては、ビルマ、ラオスで投資が行われ、20艘近い大型客船が国際航行に携わっている。沿岸経済もまたこれにより動きはじめている。1993年、中国の関累埠頭の建設工事がはじまった際は、まだ一面の荒地で、人口も稀少であったのが、今ではすでに中国の東南アジア、南アジアに向う水路の玄関として最前線の開放港となっている。ラオスのバーン・シエンコック、ビルマのソップロイもまた急速に変化を見せている。
現在、沿岸各国はメコン河航運建設のための力を増してきている。中国交通部と雲南省はこの国際航路のインフラ設備のために大掛かりな投資を行い、2004年にメコン河の整備事業を行った後、2005年には再び、合資によって瀾滄江下流の5級航路の整備事業を開始した。ビルマではスオレイ村が移転し、埠頭のための用地を提供し、また関連道路の建設に貢献している。タイではまさにチェンセン港が拡張の最中である。ラオスでは、バーン・シエンコック埠頭に関連する道路が建設中である。
「瀾滄江の5級航路の建設完成に伴い、この航路の開発価値は体現される」と喬新民氏は述べる。「簡単な予測で、2010年までには瀾滄江国際航運の貨物運搬量は150万トンに達し、客運はのべ40万人に上るだろう」。
瀾滄江−メコン河はアジアで唯一、6カ国を1本でつなぐ国際河川である。中国青蔵公言に水源を発し、全長4880キロメートル、うち2130キロメートルが中国国内を流れ、西双版納から国境をでた後は、メコン河と呼ばれ、ラオス、ビルマ、タイ、カンボジア、ベトナムの5ヵ国を流れたあとに太平洋に注ぎ、世界で6番目に長い河川である。