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メコン河開発メールニュース2007年3月25日
少し前のニュースですが、クーデターで発足した暫定政権だったはずのタイのスラユット政権は、ラオスから更に2000MWの電力を購入する極めて重要な覚書に署名をしました。加えて、メコン河国際第3架橋建設やナムグム第2ダムへの資金援助など、現地の自然・社会環境に重大な影響を及ぼす意思決定をしています。
以下、メコン・ウォッチの土井利幸の翻訳です。
タイ『プージャッカーン』紙(原文タイ語)
2006年12月19日
【日刊プージャッカーン】タイ政府は長年にわたる交渉の末、すでに合意していた3000メガワットに加えて、2015年にあらたに2000メガワットの電力をラオスから購入する協定覚書に署名した。今回の追加購入は、あらたに建設されるナムトゥン第1ダムとナムグム第3ダムで発電する電力に対するものである。
この電力追加購入に関する合意は、2006年12月18日(月)ブアソーン・ブッパワーン・ラオス首相のタイ公式訪問中に実現した。
これに先立ち、11月11日のパリディヤートン・テヴァクン・タイ副首相のラオス訪問中に、両国の担当者が3000から5000メガワットの電力量について協議を行った。
12月18日には、タイ・ナコンパノムとラオス・カンムアン県間およびタイ・チェンライ県チェンコン郡とラオス・ボーケオ県フアイサイ市間でのメコン河架橋建設での協力、両国間の国境線の調査と確定、違法入国したモン族の人びとの問題解決など、他にも7件の覚書や合意文書への署名が行われた。
ブアソーン首相は首相府でタイのスラユット・チュラノーン首相の歓迎を受け、その後タイ国王にも謁見した。
また、両国は、タイ・ムクダハンとラオス・サワナケート間に開通した第二メコン友好架橋の維持管理を実行するための取決めに合意するとともに、両国間の往来に関する合意事項を見直す議定書を作成し、両国間に恒久的な通過ポイントを設置する目的で、第二メコン架橋では人と車両の往来に便宜を図るため通常パスポートの保持者には審査とスタンプを免除し、両国間に定期バスを運行する。
さらに、ラオスに対してナムグム第2水力発電所建設計画の資金援助を行う協定覚書への署名も行われた。
先月(2006年11月)ラオスを訪問した際にタイのスラユット首相はヴィエンチャンの各方面での発展ぶりに賛辞を送り、アセアンを含む地域の枠組み内でのあらゆる面での緊密な発展を含めて、両国間の協力関係の強化・拡大を表明した。
両国の貿易も長年にわたって拡大し続けており、特に2005年は40%の伸び率を示した。タイ政府はタイの民間企業がラオスでの投資を増加させるよう政策的な支援も実施している。
スラユット首相は、12月20日に開通する第二メコン架橋は緊密化する両国関係の象徴であり、両国がメコン圏開発の中心となるための接点であると語った。