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怒江ダム開発>開発再開への動き

メコン河開発メールニュース2008年2月21日

一時停止となっていた怒江ダム開発の再開をめぐるニュースです。

2003年以来、13のダム建設計画をめぐって中国で論争を巻き起こしてきた怒江(サルウィン川上流)の連続ダム・プロジェクトは、広範な市民社会の反対を受け2004年に温家宝首相が暫定停止の命令を出して以後、工事凍結となり、約4年が経過しました。怒江は2003年に瀾滄江(メコン河上流)、金沙江(長江上流)などとともにユネスコに「三江併流」世界自然遺産として登録され、メコン・ウォッチでもこの地域におけるダム開発による地域の生態系や現地の社会文化への影響を懸念して、世界遺産委員会のメンバー国である日本の外務省に申し入れを行いました。

この怒江ダム開発をめぐって最近、現地で工事再開とみられるような動きがあります。以下、香港の英字紙の翻訳です。

動き始めた怒江ダム・プロジェクト

2008年2月17日
サウス・チャイナ・モーニング・ポスト

東南アジア最大のダムのない川として知られる怒江のダム開発は13日、市民社会の強い反対のなか中国雲南省で最終的な施工準備が行われ、動き出す気配を見せている。

16日の現地からの情報によると、1年前に六庫(リウク)ダム建設のため移転した数十人の村人はまだ農地への補償を一部しか受け取っておらず、3日前からダム建設サイトで怒れる村人たちが抗議活動を行っているという。

匿名希望の情報提供者によると、「およそ50人の村人が14日早朝、農地へ向かい、ブルドーザーやトラクターが建設サイトをならすのを止めようとして」おり、昨日の時点で「まだ現場で抗議していた」とのことだ。

ダム事業者である中国華電は、2世帯の農地で石油缶を空にし、地中から掘り出して建設準備を始めているという。

政府関係者によると、少なくとも13のダム事業のうち1つが許可される見通しで、6月には六庫水力発電所の建設が始まるという。

しかし事業をめぐる4年間の行き詰まりを打開しようとするこの試みが北京の承認を得たものなのかはまだ明らかでない。(六庫ダム開発の)事業は濾水(ルシュイ)県小沙(口覇)(シャオシャバ)村の約400人の村人による強い抗議と論争のため、これまで大きな動きはなかった。

現地政府は、2004年に環境面での懸念や市民による広範な抗議のため暫定停止となったこの事業を北京政府が承認したことを否定している。

怒江州のホウ・シンホワ知事は、今年の春節(2008年2月7日)前にサウス・チャイナ・モーニング・ポストのインタビューに対して「すべて噂話だ」と答えた。

ホウ知事は、この事業は国家発展改革委員会(NDRC)の承認と、国家環境保護総局(SEPA)によって義務付けられている影響評価待ちの状態のままであると述べた。

SEPAのコメントは得られなかったが、政府関係者は、NDRCが支持しているこの事業を、SEPAが永久に止めておくことは不可能だろうと述べた。

中国でもっとも低開発な地域のひとつであるこの地域の貧困を削減する手っ取り早い方法として、怒江(別名サルウィン川)における13のダム建設は提唱された。しかしこの計画は2003年以来、地元住民、専門家、環境保護団体、国際的なメディアにより批判されてきた。

事業は文化的に多様な現地社会や、独特な生態系をもつ怒江に大きな影響を与え、ユネスコ世界遺産を危機にさらすと言われる。

市民からの抗議に対して、温家宝首相は2004年初めに事業の暫定停止を命じ、包括的な影響評価を行うと約束した。

中国の多数の環境保護団体や著名人が中国の法律に基づき環境影響評価の公開を要求したが、これは未だ受け入れられていない。

六庫ダムは計画されている怒江の連続ダムのなかでは最小だが、他のダムの開発を進めるためには避けて通れず、地元政府はどうにかこの10億元の六庫水力発電所の建設を進めたいと考えている。

しかし小沙口覇(シャオシャバ)村の住民は、もとの家や将来のための不十分な補償に抗議の声を上げている。

村人のうち80世帯は最近、政府によって示された補償案を受け入れたものの、その他の村人は戦い続けると表明している。

「事業がもうすぐ始まるという噂を聞いている。どうやら今がその時なのではないか。」と小沙口覇村の村人は言う。「だが適切な補償が得られるまで、われわれはけっして屈しない」。

(本文・翻訳 大澤香織/メコン・ウォッチ)

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