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タイ原発>高まる反原発の動き 

メコン河開発メールニュース2011年3月31日

この度の震災で被災された方、関係者のみなさまに、心よりお見舞い申し上げます。

私たちとしても、震災の影響および東京電力福島第一原子力発電所事故を注意深く見守り、メコン流域における開発のあり方に、日本の経験を伝えるための貢献をしていきたいと考えています。

今回の震災、そして原子力発電所での「人災」は原子力発電所建設が予定されているタイ国内でも大きな衝撃をもって受け止められています。タイでは経済成長に伴う電力需要増を賄うため、電源開発計画で2020年までに原発第1号機を稼働させ、その後5基に増やすという予定が発表されていました。3月24日、日本の記者団に対しタイのアピシット首相は、日本の事故状況を検討し、今後数年で原発建設の是非を決めると発言しています。予定地になっている各地の住民は強く反発していましたが、この日本の事故を受けて更に反対の声は大きくなっています。

以下は、3月16日にウボンラチャタニ県で行われた反原発行動の報告です。当日の様子は下記のYouTubeサイトからご覧いただけます (1分30秒の動画)。

http://www.youtube.com/watch?v=9usgrJotoks


3月16日朝、ウボンラチャタニ県庁所在地の中心にあるラックムアン(注:「国の柱」と呼ばれる宗教的に重要な場所で、祠が建立されている)前に約100名の人々がバナーや看板をもって集まりました。同県で計画されている原子力発電所建設反対のバナーの間に、日本の震災犠牲者を悼む言葉もみられました。参加者は建設予定地付近の農民・漁民、市内の教職者、学生、子どもたちなど様々でした。

メンバーを代表して声明を読み上げた元教員の女性は日本の犠牲者に追悼の意を表明した後、ウボンラチャタニの住民は今後も原発建設に強く反対すると表明しました。その後、代表10名ほどが祠に入り、日本の犠牲者への祈りと、ウボンラチャタニ県が将来、原発の被害を受けることがないようにとの願いがささげられました。

東北タイにある同県は、ラオスを挟んでベトナムとも近い位置にあります。この日本の事態を受けても原発推進の態度を変えないベトナム政府に対しても、強い懸念が表明され、建設の見直しを求めています。当日は被災地に送る募金活動も行われました。

この数日前には、同じく東北タイのガラシン県、南部の建設予定地でも住民の抗議集会が開かれたことが報道されました。また、テレビの討論番組では連日、推進派と反対派の論戦が繰り広げられていました。マスメディアでは、原発が「いかに環境にやさしく、安全か」といった一方的な情報しか流れていなかった同国で、日本の事故をきっかけに大きな議論が巻き起こっています。

首都バンコク都の電力消費量は北部、東北、南部タイ50県全てを合わせたよりも多い、というタイは、日本よりも更に大きな都市と地方の格差があります。「どのように増え続ける電力需要を賄うか」という以前に「電源開発によって誰が利益を受け、負担を強いられるのは誰か」が社会的な大きな問題となる構造があります。

ちなみに、ウボンラチャタニ県の原発は、日本の円借款で建設されたシリントンダム(旧名ラムドムノイダム)の水を冷却水として使うことが検討されています。

(文責 木口由香/メコン・ウォッチ)

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