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ホーム > 資料・出版物 > メールニュース > カンボジア・NGO法>違憲の訴えを退け、施行へ

カンボジア・NGO法>違憲の訴えを退け、施行へ

メコン河開発メールニュース 2015年8月20日

カンボジアで7月13日に国民議会を通過した「結社およびNGOに関する法(Law on Association and Non-Governmental Organizations : LANGO)」に対し、上院での否決を求める声明が現地団体から出されていた件は以前お伝えした通りです。

野党不在の国民議会で法案が強行採決(メコン河開発メールニュース2015年7月17日)
http://www.mekongwatch.org/resource/news/20150717_01.html

これらの声明や、国会前などでの市民による連日のデモに反し、法案は7月24日、上院でも野党がボイコットする中、可決されました。その後、法案は違憲審査のために憲法評議会に送られていましたが、問題ないとして8月12日、承認されました。野党議員からの「憲法41条で保障されている集会の自由および表現の自由、第42条で保障されている結社の権利」などへの違憲の訴えを退けた形です。そして翌13日、国王による審署が終わり、法はプノンペン都で10日後に、カンボジア全体では20日後に施行されることになりました。

カンボジアのNGO法は1995年から検討が始まり、2010年に第1次草案が公開されました。翌2011年に、NGOや国際援助機関を交えたコンサルテーションが開かれ、第2次から第4次草案が公開。しかし法案が公開されるたびにNGO等からの問題指摘が相次ぎ、2011年末からは棚上げにされていました。それから約3年半後の今年4月、フン・セン首相が今国会で同法を可決させると発言。6月に第5次草案が閣議決定され関連委員会での審議が決定したのち、わずか1日の「NGO法を理解するためのセミナー」と称する公聴会が開かれました。そして、その後も幅広い利害関係者の意見を取り入れることなく、国民議会や上院、憲法評議会での議論もほんの数時間と、形だけのプロセスで審議が終わり、法案が成立しています。

カンボジアでは開発による土地紛争や強制立ち退きが急増しており、政府や企業の権利侵害に対し声を挙げる市民が増えています。こういった市民の団結を阻んだり、支援するNGOを弾圧する手段として、この法律が恣意的に使用されることのないよう、カンボジアにとって最大の援助供与国である日本も注視していく必要があります。

以下、憲法評議会での承認を伝えるプノンペンポストの記事を和訳でご紹介します。

NGO法、最終点に近づく

2015年8月13日
The Phnom Penh Post
Meas Sokchea記者

憲法評議会は昨日、王国の憲法に違反しているとの異議を退けて、議論の的となっているNGO法案を承認した。

昨日午後に示された憲法評議会のゴーサインが意味するのは、結社およびNGOに関する法(LANGO)が、あとは、しばしば形式的な承認と目される国王による署名だけで発布されるということだ。

この決定は、評議会で、その過半数を与党が占める9名の評議員が、カンボジア救国党のSon Chhay氏率いる同党議員たちによる法施行への異議を聞いた、たった数時間後のことであった。

この議員たちは先月、NGO法のいくつかの条項が違憲であり国際人権法にも違反するとして評議会に意見書を提出しており、修正のために国民議会に法案を戻してはどうかと提案した。

しかし、何年も棚上げされていた法案が7月13日に、わずか1日の公聴会と野党によるボイコットの中、議会を通過したように、法案を止めようとするこれまでの試み同様、抗議は失敗に終わった。

声明で評議会は政府の立場を支持し、この法案に違憲な部分はないとした。

評議会の決定は、「評議員の報告、そして政府代表者の説明、そして[野党]議員グループ代表者の説明を聞いたのち、法について適切な議論を経て、[憲法評議会]は[LANGO]の策定、可決、成立に何ら違憲性はないと理解する」というものであった。

声明は国民議会の議長であるHeng Samrin氏が法案を検討するよう要請したとも記していた。

昨日の決定を受け、Son Chhay氏は、評議会がNGO法に何も問題がないと結論づけた理論的根拠を知りたいとした。

「公に向けて説明すべきだ」とChhay氏は述べた。

「[評議会]は、法は間違っておらず何も問題はないとしたが、なぜそうなのか説明すべきだ。どのような理由をもとにそのような決定をしたのか知りたい。」

しかし審議会後、憲法評議会の報道官Prom Nhean Vichet氏は、決定について議論するのは同機関のポリシーに反するとして、詳細な説明を拒否した。

数百もの現地および国際NGO、国連、米国および欧州連合がこの法案に対して懸念を表明しており、数回のデモ行進が全国で行なわれた。

国際人権連盟が挙げた主たる懸念の一つは、未登録の団体への罰則をともなう登録義務に関する条項だ。

さらに、NGO法の登録および報告義務は、市民社会に必要以上の制約を敷くことになると指摘している。

また、他の条項により、政府に批判的な団体を閉鎖させることが当局により可能になるとしている。

しかし政府は、ならず者NGOをストップし、説明責任を強化し、団体がテロリストから資金を得るのを防ぐために、この法律が不可欠だと主張する。

国連人権高等弁務官事務所の報道官Ravina Shamdasani氏や、離任する米国大使William Todd氏たちは、それは既存の法律で十分に規制できるとしてきたが、そういった批判に対し、政府関係者は怒りの反応を示していた。

法案に反対するキャンペーンを行なっていたグループの一つであるカンボジア人権行動委員会の事務局長Suon Bunsak氏は、闘いはまだ終わっていないと言う。

「法律が前に進むのを止めることはできない。しかし、我々はこの法律の施行を監視し、もしも基本的人権や人びとの自由に影響があれば、政府と我々が選挙によって選ぶ代表者に改正を求めていく。」

 

原文(英語)はこちら
http://www.phnompenhpost.com/national/ngo-law-nears-finish-line

(文責・翻訳 メコン・ウォッチ)

 

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