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ホーム > 資料・出版物 > メールニュース >ベトナム・原発輸出の準備だった?バックアイ揚水発電所は中止すべき <第3回>奇妙な発電コスト計算

ベトナム・原発輸出の準備だった?バックアイ揚水発電所は中止すべき

<第3回>奇妙な発電コスト計算

メコン河開発メールニュース2016年12月2日

前回はバックアイ発電所が優先される理由が不明瞭だとお伝えしました。今回はコスト計算についてご紹介します。

国際協力機構(JICA)はバックアイ揚水発電所事業の検討の中で、ピーク対応の揚水発電の電力コストはガスコンバインドの8割、石炭の半分と計算していました。通常、揚水発電所は稼働率が低いため、割高な電力となるはずです。エネルギー問題に関心のある日本の市民の間では、原子力発電所の夜間余剰電力を消費するため、揚水発電所がセットで開発されてきたと考えられていますが、福島第一原子力発電所事故以降、原子力発電所の稼働は一部を除きほぼ不可能になっています。

関連は証明できませんが、2014年11月には揚水発電所の稼働率が3%しかなく、経済産業省が自然エネルギー蓄電に使うよう電力各社に促している、という報道もされていることは、注目に値します。

揚水発電利用率わずか3% 経産省「再生エネ蓄電に活用を」

(11月16日閲覧)

電力会社は昼間のピーク対応や発送電のきめ細かい対応(周波数の安定)のため、揚水発電所が必要だとしています。揚水発電所はその性質上、そもそも稼働率が低く発電の単価は高価です。例えば、九州電力の発電単価の計算では、揚水は20円以上、天然ガス(従来型)14.3円、ガスコンバインド型なら11.6円にしかなりません。

九州電力データブック2013年(44ページ)

なぜ、ベトナムではそれが全く逆の結果になるのでしょうか?その理由は、JICAとの会合で明らかとなりました。ベトナム電力公社(EVN)がJICAに示した計算では、稼働率を10%、20%、30%と計算し比較していたのです。上記の九州電力の計算は、天然ガス火力をフル稼働した前提での計算です。揚水も、実際に稼働するピーク時のみで計算されています。つまり、天然ガス火力発電所を30%以下の稼働率でずっと運転することは実際にはありえず、揚水発電所の稼働率が10%を超えることもあまりないはずなのです。揚水が安いというのは、ガス火力の稼働率が30%以下、揚水の稼働率が10-30%の場合という、現実にはありえない前提で計算されたものでした。

2007年の報道では、バックアイ発電所は出力1200メガワット、投資額8億370万米ドルで試算されていました。

http://www.viet-jo.com/news/economy/071219033442.html

実際の建設費はまだ明らかにされていませんが、ピークにしか発電できず、建設単価と発電量の比較では他の発電方法よりも高額となる揚水発電所が、債務増加で原発計画を撤回したベトナムに必要なのでしょうか?

次回は、ベトナムの電源開発計画について見ていきます。

 

(文責:木口由香/メコン・ウォッチ)

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