ホーム > 資料・出版物 > メールニュース >JBIC異議申立書回付漏れ発覚>【再発防止要請】その後(JBIC:住民の異議申立書を放置するな)
メコン河開発メールニュース2018年11月16日
日本の政府系銀行である国際協力銀行(JBIC)は、「環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン」を定め、自然のみならず、非自発的住民移転や先住民族等の人権の尊重他の社会面を含む環境に配慮することをうたっています。その遵守のため、ガイドライン制定時、影響住民が直接、JBICに異議申立てできる制度が整えられました。
しかし今回、JBICは、住民から届いた異議申立書に対応せず、異議申立てを担当する機関として、同行の投融資担当部署からは独立した経営会議の直属として設置された「環境ガイドライン担当審査役」に回付をしていませんでした。また、寄せられた情報の確認など、当然すべきであった業務を怠っていました。これについては、2018年7月23日のメールニュースでご紹介した通りです。これは制度の実効性を揺るがす大変な問題です。
http://www.mekongwatch.org/resource/news/20180723_01.html
メコン・ウォッチでは、FoE Japan、JACSESと共に、JBIC宛に「再発防止要請書」を7月13日付で提出していました。
JBIC宛「再発防止要請書」
http://mekongwatch.org/PDF/rq_20180713_JBIC-GL.pdf
メコン・ウォッチはこの問題を、第68回NGO財務省定期協議会(2018年9月21日)でも議題として挙げ、JBICの監督官庁である財務省の見解を質問し、さらなる監督を要請しました。(この議事録は、後日公開される予定です。)
JBICは、2018年10月24日、同行の日本語ウェブサイトにて、「お知らせ 環境ガイドラインに関する異議申立書の回付漏れに係る当行の対応について」と題し、再発防止策を発表しました。それは以下の内容です。
JBICの再発防止策
https://www.jbic.go.jp/ja/information/news/news-2018/1024-011516.html
―――以下の再発防止策を策定し、順次実施中。
全駐在員事務所に対して
全投融資担当部署に対して
―――以上―――
とても簡潔な箇条書きで、これを読んだだけでは、具体的にどういったことなのかはわかりません。しかし、同じことが繰り返されないよう、徹底していただきたいと思います。
再発防止策につき、メコン・ウォッチでは質問状をJBICに送り、引き続き業務体制の改善を要請しています。
(文責/メコン・ウォッチ)