ホーム > 資料・出版物 > プレスリリース・要請文>ビルマ・ティラワ経済特区開発への適正な環境社会配慮手続きを求める意見書
2013年5月28日
現在、日本が官民を挙げて進めているビルマ(ミャンマー)・ティラワ経済特別区(SEZ)開発事業では、今年1月末、約900世帯に14日以内の立ち退き通知が出されるなど、大規模な住民移転が問題となっています。
5月24日、メコン・ウォッチは、同経済特区、および、同関連インフラ事業の環境社会配慮に関し、外務省・JICAに意見書を提出。主に、JICAによる環境レビューの不適切さ、および、JICA環境社会ガイドラインの規定違反の可能性に言及し、住民移転や生計手段の喪失等の問題を回避・軽減するために本来とられるべき手続きが蔑ろにされていることを指摘しました。
例えば、日本政府が円借款供与を決定する前にJICAが行なった環境レビューでは、
(1)港湾事業に伴う漁業者への影響
(2)経済特区、および、港湾・電力事業に伴う農地収用や家屋立ち退きへの影響
について、十分な配慮・確認がなされていません。また、JICAが「実施済み」との認識を示している「住民協議」にも、当該住民は参加していないのが実態です。住民は移転・補償計画も提示されないなか、いつまで事業予定地内で農業を行ってよいのか等、大きな不安を抱えながら生活を送っています。
5月25日には、訪緬中の安倍首相が同経済特区の予定地を視察するなど、同事業が日本の旗艦プロジェクトであることが改めて強調されましたが、ビルマへの援助・投資ブームのなかにあっても、JICAによる適正な環境社会配慮手続きがとら
れるべきであることは言うまでもありません。
>意見書の全文はこちらをご覧ください。 意見書本文(PDF)
※同事業の詳細はこちら
(文責 メコン・ウォッチ)