メコン河開発メールサービス 2001年1月20日
タイのサムットプラカン県汚水処理プロジェクト問題についてです。このプロジェクトへのODA供与を問題視した民主党の2人の衆議院議員が、21日(日)からタイを訪れ、現地調査を行ないます。
調査に入るのは、衆議院の決算行政監視委員会の山田敏雅議員と葉山峻議員です。2人の議員は、問題のプロジェクトの事業主体である公害防止局(PCD)や土地取得をめぐる国家汚職防止委員会(NCCC)のほか、プロジェクトに反対しているクロンダン地区の市長や市民グループのリーダー、それに融資機関の1つであるアジア開発銀行に見直しを求める要請書を提出した上院議員などと直接会う予定です。
このプロジェクトには、日本政府が最大出資国であるアジア開発銀行から2億3000万ドル、円借款として70億円の融資が決定しています。マングローブ林の中に建設されているのも関わらず、環境影響調査が実施されなかったばかりか、処理後の水に重金属が含まれる恐れが持たれています。それによって汽水域で貝の養殖などの漁業で生計を立てている人たちへの影響が懸念されています。またプロジェクト地の取得価格が、実勢価格の2倍以上だったため、汚職の疑いがもたれています。こうした問題に対して、現地の住民グループや地元自治体が強く反対しているほか、上院議員102名が、プロジェクトによる悪影響を懸念し再調査を求める要請文をアジア開発銀行総裁宛てに送付しました。