ホーム > 資料・出版物 > タイ汚水処理 > 処理場移転の可能性も
ADBとJBICが融資して進められているタイのサムットプラカン汚水処理プロジェトについて、タイからニュースが続々と入っています。
70億円の環境ODA(円借款)と2億3000万ドルのADBの援助が、環境・社会影響ばかりか、汚職まみれ・不正まみれで、こんなずさんな形で進んでいるのに、JBICもADBも公式に何の対応も取ろうとしていません。
バンコクポスト、2003年2月26日
Pradit Ruangdit記者
問題だらけのサムットプラカン県クロンダン汚水処理プロジェクトの元々の計画−その中には2か所の小規模施設案を含む-が復活するかもしれない。タイ政府関係者によれば、タクシン首相は昨日(2月25日)、プラ・プラデンとバン・プーの2か所に処理施設を建設することを提案したとのことだ。
政府関係者は、すでに95パーセント完成しているクロンダンの施設の何らかの利用もありうるとも話している。
クロンダンのプロジェクトは、契約で当初求められていた施設の建設を監督する専門家なしに建設を進めていたため、問題ありとされた。
すでに200億バーツ(約600億円)が契約請負業者のNVPSKG企業グループに支払われた。法務省の「特別調査局」が、なぜプロジェクトを進めることが認められたのかについて調査することになると、政府関係者は語っている。
プラパット・パンヤーチャートラック天然資源・環境大臣は、進行中の調査ですでに不法行為をした数人が浮かび上がっているが、名前を言うことは避けた。少なくとも3人の政治家がすでにこのプロジェクトから利益を得たと言われているが、処分があったのは、首相府付けとなったSirithan Pairoj-Boriboon前公害管理局長だけである。
Sirithan前局長は、請負業者のNVPSKG企業グループの元々のパートナーで汚水処理場の管理を行う専門家だったノース・ウェスト・ウォーター・インターナショナル(NWWI)社の交代を承認する際の責任者だった。
(専門的観点から施設の監督をするはずだった)NWWI社は1997年7月28日、契約が調印される23日前に企業グループから撤退している。タイ政府は、このことが重大な違反行為で、契約破棄に十分な理由だとしている。Sirithan前局長は一貫して過ちを否定している。
プラパット大臣は、プロジェクトはしばらく中断となるだろうが、最終的には新しい契約を交渉することになるかもしれないと語った。