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メコン河開発メールニュース 2004年3月17日
久々に、メコン河ー瀾滄江の商業航行推進のために中国主導で進められている上流浚渫に関するニュースです。
第1フェーズが目標としている150トン級の船舶の通年航行に向けて、中国ービルマ国境からチェンコン・フエイサイまでの331キロにある早瀬や浅瀬を爆破しています。第1フェーズは2004年4月頃に終わる予定ですが、最後に残ったタイ・チェンコン郡近くの大きなコン・ピー・ルアン早瀬の爆破には、地元の強い反対が続いています。
The Nationの記事を、メコン・ウォッチボランティアの井山美穂さんが翻訳しました。
The Nation、Mukdawan Sakboon記者
2004年1月21日
チェンコン郡の村人たちは昨日、当局に対し、メコン河の早瀬を爆破する計画は、川の生態系や村人たちの生計に悪影響をもたらすとの懸念から、同プロジェクトを白紙に戻すよう求めた。OEPP(環境政策計画局)は昨日、チェンライ県のチェンコン郡とチェンセン郡の間のコン・ピー・ルアン早瀬を爆破する計画をめぐり、地元住民の見解を把握しようと公聴会を開催した。
早瀬の爆破は、潤滄江ーメコン河プロジェクトのもとで航路改良工事計画と呼ばれ、ビルマ、中国、ラオス、タイの間で調印された2001年協定(編者注:実際は2000年協定)の一環である。同プロジェクトは中国主導で進められ、メコン河沿いの早瀬を爆破することを見越している。
同協定は、中国南部と北ラオスのルアンパパーンの間886キロメートルを対象としている。この区間には100以上の浅瀬や早瀬、岩礁がある。
地元の村人たちは、コン・ピー・ルアンや他の早瀬の爆破は、川岸の浸食を進め、川の流れに変化をもたらし、生態環境や絶滅の危機に瀕した淡水魚に悪影響を及ぼすだろうと懸念し、長年にわたりプロジェクトに反対してきた。
「我々が最も憂慮していることは、この協定にある条項が、漁業はおろか、村人が何世代にも渡って活用してきた丸太など、川沿いを流れる物資の利用も禁じていることだ」と、環境保護グループのRak Chiang Khong(チェンコンを愛する会)のNiwat Roikaew氏は述べた。
政府は昨年4月、ラオスとの国境問題を理由に浚渫計画を一時延期した。国防省は、早瀬の爆破は川の流れを変化させ、両国間の主要航路や自然地理上の国境に影響を及ぼすだろうと懸念している。
内閣は、環境面のみならず社会的・文化的問題への懸念から、OEPP(環境政策計画局)に対しプロジェクトを調査するよう命じた。
チェンマイに拠点を置く東南アジア河川ネットワーク(SEARIN)の、ChainarongSettachua代表は昨日、OEPP(環境政策計画局)に対し、OEPPの報告書の中に村人たちの懸念を盛り込むよう要求した。