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タイ汚水処理>プロジェクトの行方は未だ不透明

メコン河開発メールニュース 2004年4月6日

アジア開発銀行(ADB)と国際協力銀行(JBIC)が融資を行い大きな社会問題となってきたタイのサムットプラカン汚水処理プロジェクトの最新情報です。これだけ批判を浴び、中断に追い込まれたプロジェクトですが、まだ建設再開に向けた動きがあるようです。

以下、2004年3月上旬に現地を訪れたメコン・ウォッチの福田健治の報告です。

なお、これまでの詳しい経緯につきましては、

をご覧下さい。


このプロジェクトはチャオプラヤ川河口に位置するサムットプラカン県の汚水処理を目的とする大規模な処理施設建設事業です。汚職疑惑によって建設地が排水の出所である工業地帯から遠く離れた漁村に変更され、環境社会影響を懸念する住民が強い抗議活動を行ってきました。既報の通り、このプロジェクトは昨年2月に担当の天然資源環境大臣の指示で建設が中断されており、建設現場ではいくつもの巨大なコンクリートの水槽が、全く利用されずに放置されています。

現在、汚水処理プロジェクトの今後について事業者である公害管理局(PCD)が、4つの選択肢を検討しています。選択肢は以下の通りです。

驚くべきことに、PCDは長らく批判を浴びてきた現在のプロジェクト案での完成を未だに選択肢としているのです。

この検討のために、PCDはコンサルタント会社(技術面)とチュラロンコーン大学の研究者から成る委員会(社会面)を雇用する予定としていました。大学のチームは住民運動リーダーであるダワンさんにこの委員会に参加するよう求めましたが、ダワンさんは「クロンダンの汚水処理場運用が選択肢に入っている。またPCDと委員会の契約内容について住民が参加する機会がなかった」として参加を拒否しています。

村人がプロジェクトの建設を知ったのは建設開始後で、この情報公開・住民参加の欠如が後に大きな反対運動を招く結果となりました。しかしPCDはこの経過を教訓とせず、相変わらず一方的なプロジェクト計画の見直しを進めているようです。

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