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カンボジア森林>伐採権制度は廃止すべき

メコン河開発メールニュース 2004年6月17日

今年初めの1月7日のメールニュースで報じたカンボジアの森林セクター改革における世界銀行の関与に関する続報です。

以下、メコン・ウォッチ(プノンペン)の杉田玲奈の報告と翻訳です。

今年4月、世界銀行自身を含む援助国・機関によるカンボジアの森林セクター評価の報告書が発表され、森林コンセッション(伐採権)制度は「すでに現実的ではなく廃止されるべきである」と結論付けました。

深刻化するカンボジアの森林破壊を食い止めるため、援助機関は様々な支援を行ってきました。特に世界銀行は、森林コンセッション制度を通した森林管理を推進してきましたが、汚職にまみれた現行の森林伐採制度を正当化しているだけであると、NGOなどにより厳しく批判されてきました。

昨年12月には、「森林セクター改革に進展が見られている」という見解を示し、様々な批判を押し切って、構造調整融資の支払いを行った世界銀行ですが(メールニュース1月7日参照)、状況に変化が起きていることをカンボジアデイリーの記事が伝えています。

*2004年1月7日のメールニュースは以下にあります。

世界銀行の森林伐採権プロジェクトに新マネージャーが就任 By Solana Pyne カンボジア・デイリー、2004年4月30日

カンボジアの森林伐採権(コンセッション)制度を続ける意味が問われているなか、今日、世界銀行の森林伐採権管理プロジェクトに新担当者が就任する。

ワシントン駐在のPeter Jipp氏は、William Magrath氏の後任として、480万ドルのLearning and Innovation融資(LIL、文末注参照)を統括することになる。このLILから、「森林伐採権管理・取り締まりパイロットプロジェクト」(Forest Concession Management and Control Pilot Project)への融資が行われている。

世界銀行の文書によると、このプロジェクトにおいては、企業が持続可能な方法で伐採を行うよう土地が与えられることになっている。

しかし、4月23日に発表された、カンボジアの森林セクターに関して援助国・機関が資金を出した『見直し報告書』は、伐採権制度は「すでに現実的ではなく廃止されるべきである」と記した。

報告書は、(伐採権)制度は「理論上は可能」だが、汚職が最大の障害であると記した。この見直しは世界銀行自身を含む、いくつかの援助国・機関の資金提供によって実施された。

報告書は、「深刻な汚職の余地は継続して存在しており、現行のガバナンス状況を考えると、すぐに改善されることは難しい」としている。

伐採権譲渡を見限り、他の森林管理の方法を選ぶことは世界銀行の選択肢としてありえる、とJipp氏とMagrath氏の両氏は木曜日(4月29日)に発言した。

「柔軟に対応することは可能だ」とMagrath氏は述べた。

しかし、その決定は、伐採権所有者の管理計画に関する現在進行中の評価に基づくこととなる。現在、森林伐採権対象地区では、企業の管理計画が政府により承認されるまで伐採が禁止されている。

主に世界銀行からの圧力の結果、2001年の末、フンセン首相は森林伐採権対象地区内での操業を禁止し、伐採権制度の経済性と環境・人権に関するセーフガードを記した計画の提出を、伐採権所有者に義務つけた。

Magrath氏とJipp氏は伐採権制度における汚職の問題は次のような方策で解決が可能だと述べた。すなわち、どこの何本の木が企業により切られるかを厳密かつ詳細に記し、第三者による遵守の監査を認めるような厳格な管理計画を執行することである。しかし、森林管理局の役人ーまた伐採権所有者ーにとっては、持続可能な伐採計画を遵守しないほうが利益を得るであろう、と心配する声もある。

「問題の一部は、(森林局の役人)が賄賂による収入の多くを森林伐採権から得ていたこと、(従って)役人たちは(伐採権)制度に注ぎ込んでいたことにある」と、森林問題のモニタリングを行っているグローバル・ウィットネスのMikeDavis氏は述べる。

2002年末に公開された、伐採権所有者の管理計画の初期の草案は、計画の中に虚偽の要請が含まれていたとか、伐採権対象地区周辺住民の権利を無視したとかいう訴えがなされる中で、広範な批判にさらされた。

現在は、世界銀行融資の森林伐採権プロジェクトは、最初のドラフトに対する批判を受け修正された(伐採権所有)企業の向こう20年間の管理計画を審査しているところである。ただし、修正されたドラフトは一般公開されていない。

伐採権所有者が提出した計画の審査を、森林管理局と行うように世界銀行から雇われたYann Petrucci氏は、水曜日(4月28日)、4つの企業については20年計画を承認するよう勧告し、6つ(の企業)の計画はキャンセルされた、と述べた。

ひとたび政府が20年計画を承認すると、(伐採権所有)企業は、住民の権利や複雑な環境問題をより集中的に扱う5か年計画を作成しなくてはならないとJipp氏は言う。

援助国・機関によって組織され資金提供された(伐採権所有)企業の20年計画に関する2度目の第三者による見直しの結果出た勧告は、6月中旬に実施が始まる予定である。この勧告は世界銀行の森林伐採権プロジェクトの中でも考慮されるとJipp氏もMagrath氏も述べている。

今回の見直しは、世界銀行と森林管理局の両者が森林伐採権制度を適正に評価するには、力を注ぎ込み過ぎている、というNGOや援助国・機関の批判に対する返答であるとDavis氏は言う。世界銀行は沢山の時間と資金を制度につぎ込んだため、(制度が)機能することを証明すると「かなり固く決心していた」と彼は言う。

「プロジェクトの主たる推進力は、改革不可能なものを改革することだった」と彼はつけ加えた。

また、Magrath氏は、伐採権の継続を世界銀行が望んでいるという疑惑について否定した。

一方、米国上院外交委員会は、カンボジアやその他の国における世界銀行融資プロジェクトに関する汚職の可能性について調査を行っている。

米国上院議員Richard Lugar氏は、世界銀行のJames Wolfensohn総裁に宛てた4月9日付けの手紙の中で、「カンボジアにおける世界銀行の資金濫用の可能性」についての懸念を表明し、「資金の濫用を最小化する」ために世界銀行は何をしているか聞いたことを、水曜日(4月28日)、ロイター通信が報じた。

「世界銀行は最大限に協力する」とMagrath氏は言った。

LIL融資の中で世界銀行の資金が濫用された可能性は低いが、「腐敗した機関に資金を注がないようにする責任が世界銀行にある」とDavis氏は述べた。

【文末注:LILとは】(世界銀行のホームページより)

Learning and innovation loan (LIL)は、小規模でパイロット的な事業や能力向上プロジェクトを世界銀行が支援するもの。うまくいけば、LILの学びや成果を主流化する大規模なプロジェクトにつながる。LILは500万ドルを超えず、通常は2〜3年で実施される。世界銀行の事業融資と比べてかなり実施期間が短い。すべてのLILは、その学びを吸収するためにモニタリングと評価の制度を含んでいる。

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