ホーム > 資料・出版物 > メールニュース > タイ・パクムンダム>抜本的な解決なく水門閉鎖
メコン河開発メールニュース 2005年10月17日
タイのパクムンダムが引き起こした問題の抜本的な解決を目指した住民たちの要 望は、またしても踏みにじられました。以下、メコン・ウォッチの木口の報告で す。
9月20日のメールニュース「パクムンダム>住民ネットワークが抗議行動」でお伝えしましたように、タイ東北部のパクムンダム (世界銀行融資)が引き起こした問題を根本的に解決するために設置された政府特別委員会『ムン川流域コミュニティの天然資源・生計発展委員会』(座長=チャ イアナン・サムットパワニット/タイ発電公社理事)が、9月27日に会合を持ち ました。
しかし、タイ発電公社(現在は民営化され、タイ発電会社)の反対で地域復興プランを打ち出せず、魚の回遊を守るために開放されていたダムの水門は、10月1日に閉鎖されました。
パクムンダムのあるウボンラチャタニ県内ではムン川の水位は非常に高く、ダムの水門が閉まったことで更に水位が上がりました。タイ発電公社は事前に通達はしていましたが、各村落の村長に9月21日になってから「海抜何メートルかまで水位を上げる」と文書で知らせただけでした。
このため、河川付近の水田の一部は稲刈りが間に合わず、被害が出ています。また、期間が短く通達が行き届かなかったため漁具に損害も出ています。ダムに反対する住民グループが中心となって損害をまとめ、県に訴える予定ですが、今までダムの水門開閉で生じた住民の損害に対して補償が行われたことはありません。