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ホーム > 資料・出版物 > メールニュース > タイ・ゲンコイ第2複合火力発電所>地元社会を分断

タイ・ゲンコイ火発>地元社会を分断

メコン河開発メールニュース 2006年1月1日

既にメコン・ウォッチのメールニュースでもプレスリリースを流していますが、 今年の11月、国際協力銀行(JBIC)は、住民への十分な説明をせず強行的に建設 を始めているタイの複合火力発電事業への融資を決定しました

発電所は、住民が生活の生命線と訴える地元のパサック川から取水を行なう計画 のため、住民はすでに深刻な水不足が悪化することを懸念しています。

また、この事業は、現地住民の激しい反対に遭い中止となった、プラチュアップ キリカン県でのボーノーク石炭火力発電所が前身です。ボーノークでは、深刻な 環境破壊が懸念されていたにも関わらず住民に適切な情報を与えず、住民の同意 なしに事業の準備が進められました。その結果、プロジェクトへの賛否をめぐっ て地域住民は分裂し、激しく争う結果となっています。

ゲンコイの住民は、同じプロセスで進む事業の準備に、プラチュアップキリカン 県で起きた事件と同じ問題が起こることにも不安を抱いています。

メコン・ウォッチでは今後、このプロジェクトをめぐる問題を集中的に取り上げ ていく予定でいます。そこで、何回かに分けて、これまでの経緯をニュースでお 伝え致します。

第1弾は、2005年2月のバンコクポストの記事の翻訳です。

ゲンコイ発電所、地元社会を分断 前身のボーノークと同じように地元に不評

バンコクポスト 2005年2月18日

KULTIDA SAMABUDDHI記者

サラブリ県−物議をかもしたプラチュアップキリカン県のボーノーク石炭火力発 電所の事業者であったガルフパワー社は、同社の1468メガワットのガスタービン 発電所に異議を唱えるゲンコイ地区の住民と新たな騒動に入った。

330億バーツのゲンコイ2事業は、現地住民や環境運動家からの反対の結果中止と なったボーノーク発電所の代わりとなる。燃料も、石炭から天然ガスへ変更となっ た。

しかし、ゲンコイの住民も、サラブリ県に住む住民の生命線であるパサック川の 水不足と汚染の深刻化を懸念し、発電所に反対している。

工場や鉱業活動からの急激な水需要の増加と工場廃水により、パサック川(の環 境)はひどく悪化したと「ゲンコイ保全クラブ」のリーダーのPeerasak Suksamran氏が水曜日、現地調査に来た上院の社会開発と人間の安全保障委員会 に述べた。

「政府がここでの発電所建設を容認すれば、サラブリ県の水問題は危機的な状況 になるでしょう」と彼は述べた。

事業の環境影響評価(EIA)報告書によれば、発電所は毎日パサック川から 54,413立方メートルの取水をし、130万立方メートル保水可能な貯水池にその水 を貯める。発電所からの廃水は処理され川へ戻される。

Tuenchai Deetes上院議員が議長をつとめる円卓会議での議論では、県の自然資 源管理室の担当者が、発電所ができれば深刻な水不足が起きることに同意した。

反対住民はさらに、ゲンコイ地区行政機構から2kmほどの450ライの広さの土地に 建設される、発電所からの騒音や大気汚染を懸念している。

「もし政府が承認すれば、プラチュアップキリカン県のボーノークやヒンクルッ トで起きたことと同じことが起きるでしょう」、と住民であるSomkiat Hengnirandさんは、最終的に移転された2つの発電所に言及して述べた。

「住民は2つのグループに分断され、お互いを中傷し合っています。反対派は、 事業者から寄付を受け取っているお寺を訪問するのを拒否し、賛成派は反対派の 店からものを買わないことを誓っています」、と彼は述べた。

Somkiatさんはさらに、反対派を無視する政府を厳しく非難した。「去年の6月と 8月に開かれた市民フォーラムは、事業者の職員と政府関係者が発電所の利益ば かりを並びたて、負の影響については一切触れない、単なるプロパガンダに過ぎ ませんでした」とSomkiatさんは述べる。

天然資源環境省政策計画室は、事業のEIAを去年(2004年)の12月に承認してお り、これは事業者が工事や他の許可を工業省と地元当局に申請できることを意味 する。

一方でTuenchai上院議員は、県工業局に対し、事業者が許可を得るまで建設を中 止させるよう求めた。発電所のコントラクターであるAlstrom社は、土地の基礎 を既につくり、現場に簡易事務所も開いている。

ガルフパワー社のスポークスマンであるBoonchai Chiamjitjarung氏は、水への 影響に関する対策は準備されている、と述べた。「深刻な干ばつの際は、事業者 は川からではなく貯水池から水を使います」と述べた。

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