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怒江ダム開発>再審査の一方で進む計画

メコン河開発メールニュース 2006年4月15日

瀾滄江(メコン河)、金沙江(長江)と並行して雲南省を北から南へと流れる怒江(サルウィン川)のダム開発は、3つの点で、中国国内や周辺の国々で大きな関心と懸念を集めています。

1つは数少ない「ダムのない川」がせき止められることによって、少数民族の暮らしや豊かな自然生態系が破壊されること。2つ目は、そうした悪影響を防ぐための環境アセスメントの実効性が情報公開や住民協議とともに問われていること。3つ目は、国際河川として下流のタイやビルマに及ぼす影響です。

以下は、最近の動きについて、メコン・ウォッチの大澤香織による解説と翻訳記事です。

中国雲南省からタイ、ビルマを流れる国際河川、サルウィン川の上流である怒江におけるダム建設計画は2004年2月に温首相の命令により暫定停止となったまま、2年以上にわたって再審査が続けられ、未だ正式なゴーサインは出ていません。

これらの計画は2003年9月中国の新たな環境影響評価(EIA)法が発効した時期の前後に審査されたため、新たな法律にのっとって文書を公開するよう求める声が市民社会から再三にわたって提出されてきました。来月にはこのEIAが公開される見通しとの一部報道もありますが、まだ実現してはいません。

一方、そうしたグレーな情況にも関わらず現地では怒江州政府、発電会社により着々と着工準備および住民移転事業計画が進行中です。

13のダム計画がすべて実行に移されれば、予想される住民移転数は約5万人です。比較的規模の小さい最初のダム、六庫(リウク)発電所の移転事業計画でも、約690人の少数民族の移転が見込まれています。

以下は現地、怒江州の共産党機関紙、怒江報を抄訳したものです。

六庫(リウク)発電所、住民移転、前期事業の進展

(2006年3月13日、怒江報)

3月6日、雲南省住民移転指導グループが怒江州で六庫(リウク)発電所の住民移転事業を視察した。視察グループは州移民局と濾水県人民政府の関連部門の報告後、怒江州の州、県、党委員会政府と各級関連部門との協力し、六庫(リウク)水力発電住民移転事業の成功を重視すると述べた。また視察グループは怒江州が社会主義新農村建設の形式にのっとり六庫水力発電所の住民移転事業において採った措置を認めている。

六庫水力発電住民移転前期事業は去年10月に開始されて以来、相次いで『苗干田(ミャオガンテン)移転地詳規設計』、『六庫水力発電移転住民安置事業実施方案』さらには苗干田(ミャオガンテン)移転地建設用地の地質災害リスク評価事業などを完成させ、現在、雲南省、怒江州が審査中だ。

苗干田(ミャオガンテン)モデル事業建設の歩みを速め、住民移転事業の指導を強めるため濾水県は今年3月1日、それぞれ濾水県社会主義新農村建設事業、指導グループとモデル地点建設指導部などの専門機構を設置した。

現在、宣伝動員グループ、整地移住グループはすでに村での作業を開始、索道析(ソダオシ)、渣場(チャチャン)、臨時榮(リンシイン)、苗干田(ミャオガンテン)などで事業を始めている;省、州、県を通じて国土資源部門からそれぞれ返答を得ており、すでに六庫(リウク)水力発電所の単体事業については先に合計59.9033haを使用している。まず用地の範囲、土地の種類、権利関係、面積やその土地上の物品などについて濾水県国土資源局により現場での認定が行われ、その後、村委員会の契約にしたがい臨時の用地補償協議が結ばれた。

怒江州政府の杜紹林副州長は報告会のなかで、六庫水力発電所住民移転事業は政策の枠組みが決まり次第すぐに実施に移し、怒江州委員会、州政府の要求する時間内に住民移転事業を完成することを確保すると強調した。

程念高氏が怒江水力発電開発事業の情況視察

(2006年3月9日、怒江報)

3月4日と5日、中国華電集団公司の副総理、雲南華電怒江水力発電開発有限公司の程念高社長一行は怒江州において怒江本流ダム開発事業について視察した。

程念高氏と一行は六庫(リウク)、濾水、亜碧羅(ヤビルオ)発電所のダム位置と六庫発電所の移転住民地点においてプロジェクトの前期事業の情況を観察した後、怒江州委員会、州政府幹部と会談し、怒江水力発電開発、特に六庫発電所建設事業を進めるよう話し合った。

座談会のなかで程念高氏は雲南華電怒江公司成立以来の各事業進展状況から今後の計画について紹介した。彼は各方面の努力を通じて、怒江本流水力発電所開発は現在すでに審査の過程に入っており、各事業の前期事業、特に六庫(リウク)発電所は着工に向けて作業を速めている、と述べた。彼は怒江公司は現在、州委員会、州政府の大きな支持のもと、作業を早めていると述べた。現在、六庫発電所を「モデル事業」として成功させ、怒江本流におけるすべての開発の基礎としたい考えだ。

怒江州委員会の解毅(ジエイ)書記は話のなかで、怒江の水力発電開発は資源の優位を経済的優位毅に転化し、長らく怒江各人民の強い願いだったと述べた。彼は州委員会、州政府および全州各民族が怒江公司の事業を支持し、怒江水力発電開発事業を早く実現し、怒江の経済社会を発展させたいと述べた。

怒江州委員会副書記、州長候新華は座談会をもうけ、関連部門の指導者が参加した。

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