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メコン河開発メールニュース 2006年6月15日
ラオス中部に計画中のナムグム2水力発電ダムからの電気を、タイ発電公社(EGAT)が購入することに対して、タイ政府がゴーサインを出しました。
ナムグム2ダムについては、2006年3月24日のメールニュースで着工についてお伝えしましたが、今回の電力購買契約によって事業は実現に向けて大きく前進しました。
このダム建設によって、5,500人の住民が立ち退きを迫られ、ナムグム川上流の魚の回遊が妨げられるとともに、水質汚染などが懸念されています。
なお、このダムの建設資金調達は、メコン河流域国のインフラ開発にとって重要な意味を持っています。今年2月にタイやラオスの新聞で報じられたところによれば、このプロジェクトの資金調達のために、ラオス電力公社(EdL)は、日本がイニシアチブをとっているアジア債券市場の枠組みを使って、総額11億バーツ(約33億円)のバーツ債権を発行し、タイ輸出入銀行が保証を供与する予定です。
メコン河流域国の大規模インフラ整備の資金源は多様化が進んでおり、日本政府の関与も、直接的なODA供与から債券市場育成のような間接的なものに変化し始めています。
以下、メコン・ウォッチの東智美の翻訳によるタイの英字新聞の記事です。
ネイション紙 2006年5月24日
タイ発電公社(EGAT)が25年間の契約のもとにラオスのナムグム2水力発電プロジェクトから電力を購買することに対し、タイのエネルギー政策局からゴーサインが出た。
EGATのKraisi Karnasuta総裁によれば、金曜日(5月26日)にラオスの首都ビエンチャンで電力購買契約が結ばれる。
「法務長官局は契約を精査しており、特別の条項が追加されるだろう。すなわち、争いが起きた場合には、タイの法律が適用され、その件はタイの仲裁委員会のもとで扱われることになる」とKraisi総裁は語った。
この契約のもとで、615メガワットの発電能力を持つナムグム2ダムは、2013年から電力を供給することになる。契約期間中は、電力の価格は1単位あたり1.99バーツと見積もられている。