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ナムトゥン2ダム>湛水開始へ

メコン河開発メールニュース2008年4月22日

4月9日、ナムトゥン2電力会社、ラオス政府、世界銀行が、ナムトゥン2ダムの湛水の開始を発表しました。

現地では、湛水開始に際し、プロジェクトの順調な進捗と、プロジェクトがもたらす経済的・社会的な利益を強調する報道が行われています。

しかし、未だに移転が完了していない世帯が残されている上、移転地や下流の生計回復プログラムの欠陥や、バイオマスの撤去が十分に行われていないことなど、多くの問題は残されたままです。企業は、2009年のダムの操業に間に合わせるために、社会環境配慮をなおざりにしても、建設を急いでいることが明らかです。

ナムトゥン2電力会社、ラオス政府、世界銀行、アジア開発銀行(ADB)、同事業に出資している三菱東京UFJ銀行などの民間銀行、そして世銀・ADBの同事業への支援に賛成した日本政府を含む各国の政府は、プロジェクトが事前に約束した環境社会配慮の適切な実施に責任を負っています。

以下は、ナムトゥン2ダムの湛水開始を報じた現地英字紙と、アメリカのNGO、インターナショナル・リバースが出したプレスリリースの翻訳です。

ナムトゥン2ダムの貯水池、湛水開始へ

ビエンチャン・タイムズ紙、2008年4月18日

ナムトゥン2水力発電プロジェクトは、湛水に向けたプロセスに入った。ダムの水位を上げ、最終的には貯水池を満水にするように転流用のトンネルが閉鎖され、 水が溜められることになる。

「これからは、ナカイ高原の貯水池の湛水が開始されるが、漁業と環境のために、少量の水は下流に流される」。先週の木曜日(4月10日)に行われた転流用トンネルの閉鎖を記念する式典で、ナムトゥン2電力会社の最高経営責任者(CEO)、Jean Pierre Katz氏はこのように語った。

式典はBorilhamxay県Khamkeuth郡に位置するナカイ高原のダムサイトで行われ、Somsavat Lengsavad副首相が参加した。

トンネルの閉鎖によって、80平方キロメートルの土地が水没することになる。

エネルギー鉱業省のBosaikham Vongdara大臣によれば、このトンネルの閉鎖は、湛水の最初の段階であり、その後、6月にダムの水門が閉じられる。

トンネルは、建設期間中、トゥン川(ナムトゥン川)の水がダムサイトを迂回するように作られていたものである。これから、水はダムの水門から流されるよう になる。

Bosaikham氏によれば、これまで環境に関する独立専門家パネル(POE)が、プロジェクト実施についてモニタリングと評価を行ってきており、転流用のトンネルの閉鎖が承認された。

POEは、1997年からプロジェクトのモニタリングを行っている。専門家らは、常にプロジェクトを支えるコンセッション契約に言及し、この合弁事業が社会や環 境に関する望ましい成果をあげる上で、この協定が重要であることを強調してきた。
「このトンネル閉鎖は、プロジェクトの最終フェーズにつながるものであり、この合弁事業が順調に軌道に乗っていることが分かる」と、電力推進開発局の Sychath Boutsakitirath副局長は語った。

プロジェクトの建設は2005年半ばに始まり、現在、85%が完成している。

Bosaikham氏によれば、来年3月に試験的な発電が始まり、2009年末には正式に商業運転が開始される。

このプロジェクトへの投資は、11兆8000億キープ(12億米ドル)以上と見積もられている。発電所には、内需および輸出用の電力を供給する6つの発電機があり、 1,070MWの発電能力を持つ。タイが995MWの電力を買い、75MWは国内消費用に使われる。

水力発電所は、25%の株式を保有するラオス政府と、残りの75%の株式を保有するタイおよびフランスの海外投資企業による合弁事業である。資金調達には、世界銀行、アジア開発銀行、ヨーロッパ投資銀行、フランス開発庁を含む26の国際的な銀行が関わった。

Bosaikham氏によれば、この発電所が完成すれば、25年間のコンセッション期間を通じ、この発電所から年間8000万ドルが国庫に入ることになる。

ナムトゥン2ダムは、道路、学校、病院、その他の公共施設といったインフラ整備などの社会経済開発プロジェクトを通じ、地域住民に間接的な利益をもたらす。
また、同事業によって、地域住民に電力と清潔な飲み水も提供されることになる。

「ナムトゥン2ダムの湛水に際するインターナショナル・リバースの声明」

2008年4月11日
シャノン・ローレンス、
shannon@internationalrivers.org,
+216-23-456-969

ナムトゥン2電力会社、ラオス政府、世界銀行は、今週にも水を転流するためのトンネルが閉鎖され、ナムトゥン2ダムの貯水池の湛水が開始されると発表した。
2008年6月中旬には、貯水池を満水にするために、ダムの水門が閉鎖される計画である。

インターナショナル・リバースのラオス・プログラム・ディレクター、シャノン・ローレンスによれば、「重大な問題が解決されないうちに、貯水池の湛水が行 われること、またもナムトゥン2ダム事業が、社会環境配慮の責任よりも建設の期限を優先させたことになる。これほどリスクの大きなプロジェクトに対して、 このように(環境社会配慮と建設をそれぞれ別々に進める)“2つの路線”のアプローチが取られていることで、村人たちはダムの影響に備えることができないままにされている」という。

ナムトゥン2の国際専門家パネルは、いったん貯水池の湛水が始まれば、移転住民の生活水準が低下する可能性があると記している。生計開発プログラムには遅 れと欠陥があり、強制的に移転させられた上、土地や家畜、資源を失った移転住民をより弱い立場に追い込んでいる。村人たちは育てた野菜をどこで売るのか、 コミュニティ・フォレストとして約束された土地の多くが、他の目的のために接収され、区分されているのではないか、といった疑問には、未だに回答がなされていない。

十分な資源を確保するための計画は貧弱である上、うまくいっておらず、貯水池から取り除かれたバイオマスは5%以下に過ぎない。本来であれば、貯水池と下 流の深刻な水質悪化の問題を避けるため、湛水が行われる前に、より多くの植生が取り除かれるべきであった。バイオマスを取り除いたり、根覆い(マルチング) するのではなく、バイオマスを焼き払うことは、さらに大気汚染や水質汚染のリスクを生み出すだろう。

下流の水路に近い貯水池エリアの下流では、ナムトゥン2ダムの建設によって影響を受けた300〜400世帯が、まだ代替地と収入回復を待ち続けている。今日まで 2年以上も待たされている世帯もある。

下流では、セバンファイ川沿いの住民に対する、ナムトゥン2の影響緩和と補償プログラムには、予算が不十分であることなどの問題があり、未だに対処されていない。さらに、ナムトゥン川のダムサイトの下流の住民は、すぐに漁業の損失によって影響を受けることになるが、住民との話し合いはやっと始まったばかり である。

インターナショナル・リバースは、ナムトゥン2水力発電プロジェクトの建設のモニタリングを継続していく。我々は、今後も、プロジェクトの社会環境影響に 関する懸念を挙げ、開発事業者や、ナムトゥン2に資金を提供している国際金融機関、各国政府、民間銀行が、これらの影響に責任を持つように働きかけを行っていく。

(文責・翻訳 東智美/メコン・ウォッチ)

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