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ラオス・ナムトゥン2ダム>環境社会配慮の要件を満たさないまま運転開始

メコン河開発メールニュース2010年3月22日

3月15日、ラオスのナムトゥン2ダムがタイへの電力輸出を開始しました。同事業のコンセッション契約や世界銀行のセーフガード政策には、商業運転開始までにクリアすべき環境社会配慮上の要件が定められています。しかし、それらの要件は満たされないまま、ナムトゥン2電力会社(NTPC)はダムのフル稼働に踏み切りました。

現地を訪問したNGO、インターナショナル・リバースの報告によれば、発電後の水が流されるセバンファイ川沿いでは、給水設備の整備が完了しておらず、住民は昨年12月の試運転以降、清潔な生活用水のアクセスに困難を抱えています。また、同地域では増水によって川岸の野菜畑を放棄せざるを得ない状況ですが、畑の所有者に対する事前の補償は行われていません。住民移転が行われたナカイ高原でも、コンセッション契約に定められた灌漑設備の普及が完了していません。

NTPCは、3月17日に発表したプレスリリースの中で、今回のフル稼働を「商業運転(commercial operation)」とはせずに、「商業的な電力の輸出(commercialexport of electricity)」としています。これは、商業運転開始までに達成すべき環境社会配慮を先送りにしたことに対する言い逃れに他なりません。

適切な環境社会配慮が行われることを確約し、同事業を支援してきた世界銀行、アジア開発銀行の責任も問われます。

以下では、ナムトゥン2のフル稼働を伝える現地英字紙の報道を日本語訳で紹介します。

ナムトゥン2ダム、タイへの電力輸出を開始

ビエンチャン・タイムズ紙、Ekaphone Phouthonesy記者
2010年3月18日

ラオス最大の水力発電所であるナムトゥン2発電所が、タイへの電力輸出を開始した。この発電所は、内陸国であるラオスにとって、新たで主要な収入源となる。

ナムトゥン2電力会社(NTPC)は、昨日(3月17日)、タイ発電公社(EGAT)に対し、商業レートで1,000メガワットの電力の供給を開始したと発表した。

同社によれば、月曜日(3月15日)、ラオス中部のカムアン県にある1,088メガワットの発電所で、輸出用の4つのタービンがフル稼働を始めた。

ラオスの国営企業であるラオス電力公社(EDL)に対しても、この発電所で作られた電力の販売が始まっている。

この14億ドル(約1,260億円)の水力発電事業の建設は2005年に開始された。ラオスの電力網への配電とタイへの電力輸出は、2009年12月に開始される予定であった。しかし、技術的な問題からフル稼働は今年初旬まで延期された。

ナムトゥン2水力発電所は、ラオス政府にとって主要な収入源になると見られている。

ナムトゥン2電力会社の報告によれば、同発電所は平均で年8,000万ドル(約72億円)の収入をラオスにもたらすと見られている。25年間のコンセッション期間、収入は税金、ロイヤリティ、配当金の形で入ってくる。操業期間を通じて、収入は20億ドル(約1,800億円)以上になると見積もられている。

ラオス政府は、これらの収入を貧困撲滅に使うことを確約している。同発電所への投資はBOT方式で行われた。株主は25年間この設備を運営し、その後、ラオス政府に設備を受け渡すことになっている。

株主は、フランス電力公社(35%)、ラオス国有のLao Holding StateEnterprise社(25%)、タイのElectricity Generating Public Company(EGCO)社(25%)、同じくタイのイタリアン・タイ開発会社(15%)である。

ラオス・エネルギー鉱業省の高官によれば、プロジェクトの開発事業者は、NTPCや発電所の管理について、ラオス人のスタッフをトレーニングし、外国人スタッフと入れ替えることを計画している。これにより、25年後、ラオス政府が同発電所を運営することが可能になる。

他の3つの発電所−ビエンチャン県のナムグム2とナムリック1・2、ルアンナムター県とボケオ県のNam Nhone発電所−も今年、商業運転を開始する予定である。

現在、ラオスでは10の水力発電所が操業中である。その他に17の発電所が計画段階、45の発電所が実施可能性調査の段階にある。

政府は、将来、計画されている水力発電所が稼動し、ラオスが「ASEANのバッテリー」となることを期待している。

(翻訳・文責:東智美/メコン・ウォッチ)

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