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パクムンダム>ダム建設から20年、再び水門開放を求めて

メコン河開発メールニュース2011年3月5日

1994年に世界銀行の支援で建設されたパクムンダムの影響で、メコン河支流ムン川での漁業で生計を立てていた人々は、生活の糧を失いました。ダムによってメコン河とムン川の間の魚の移動が妨げられ、流域でも屈指と言われた淡水魚漁業が壊滅状態に追い込まれたからです。ムン川流域の人々は、今年1月末から1カ月間、休みなく県庁舎を取り巻き、その後にバンコクにやってきています。今人々は、3月8日火曜日の閣議でパクムン問題が審議されるよう各方面に協力を呼び掛けています。非常に短期間ではありますが、前日の3月7日に、緊急国際サインオンレターの発出も計画されています。連日30度を超えるバンコクのアスファルトの路上で、人々は平和的に闘い続けています。多くのみなさまにこの問題にご関 心を持っていただけるよう、お願い申し上げます。下記にこれまでの動きと、最近の報道をご紹介します。

パクムンダムについては、こちらをご参照ください。

○これまでの動き

1999年、パクムンダム影響住民は自然回復のためのダム水門開放の要求を掲げ、ダムの敷地占拠などの大規模な抗議行動を3年以上にわたり展開しました。この運動に押され、政府委託の大学による調査は2002年、時のタクシン政権に5年間の水門通年開放の提言を行いました。しかし、その調査結果は無視され、人々は2003年から年間4か月の水門開放という妥協案に甘んじてきました。

ダムの影響を受けた人々は、自然の回復と工事が始まってから20年間に及ぶ損害の正当な償いを訴え、再び立ち上がっています。被害を訴えている6千世帯から1千名以上の人々が、2月16日からバンコクにやってきて路上生活を行い、政府と水門開放の交渉を続けています。現在のアピシット政権は、数年来大混乱しているタイの政治を安定させるため、様々なグループと話し合いを重ねてきました。特に、サティット首相府大臣は貧困問題を担当し、パクムンダム影響住民が参加する住民運動のネットワーク、貧民会議と何度も協議を重ねていました。タイ政府はパクムン問題解決委員会を新たに立ち上げ、今後のダムの運営を検討してもいました。

昨年、この委員会は政府に対し、ダムの水門恒久開放と20年間の住民の損害の補償を提言しました。サティット首相府大臣は昨年12月に公衆の前で、下記の報道にあるように、2月の閣議でこれを審議することを約束していました。しかし、政権党であるタイ民主党のたった1名の議員の反対により、閣議での審議はうやむやとなり、サティット首相府大臣はこ
の約束を反故にする様子を見せています。

サティット、ダム水門開放を求める

バンコクポスト紙
2010年12月26日

ウボンラチャタニ県:サティット・ウォンノントゥーイ首相府大臣はこれまで、2月に出たパクムンダムの水門の恒久開放案に対し、内閣の承認を得ると約束してきた。

サティット氏はウボンラチャタニ県におけるダム問題を調査する政府委員会の座長を務めており、2月には(委員会の)2つの分科会の調査結果を内閣に提出し、承認を求めることになると述べた。

(ダムのある)コンヂアム郡でのダムの影響と、影響住民の苦情の調査を担当した分科会は、メコン河からの魚の回遊を促すため全ての水門を恒久開放し、魚がムン川で産卵できるようにすべき、としている。更に同委員会は、影響住民への補償についても勧告した。

ダム影響に関する2日間のフォーラム初日の金曜日、サティット氏は調査結果に従って進める準備はできていると述べた。

彼は分科委員会に水門開放による影響と補償条件について調査するよう依頼した。調査結果は来月末には取りまとめられる予定で、それらを2月には内閣へ提出するとサティット氏は述べている。

昨日終了した同フォーラムは、貧民会議によりウボンラチャタニ県ラチャパット大学にて開催されたものであった。 活動家、学術関係者、そして1,000人以上ものダムの影響住民がこれに参加した。

ソムポーン・ビエンチャンは貧民会議のリーダー的メンバーで、彼女はサティット氏が約束を守るとは思っておらず、約束どおり調査結果を内閣に提出しなければ、会議としては大規模な抗議行動に出ると述べている。

世界銀行の援助を受けて建設され、1994年に完成したタイ発電公社のダムの総コストは2億4000万米ドル(72.4億バーツ)に上る。

この事業はムン川での漁業に対する悪影響、想定を下回る発電量、そして影響住民への不適切な補償等で批判を受けて続けてきた。

ダムによる直接的な影響は117キロ平方メートルの土地を水の底に沈め、約3,000もの家族を強制移住させた事である。

(文責 木口由香 メコン・ウォッチ/翻訳 舎川正美)

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