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タイの原子力発電計画>不透明な新政権の態度

メコン河開発メールニュース2011年9月6日

タイでは先月、新しい政権が誕生しました。新政権を担うタイ貢献党(プアタイ党)は福島第一原発の事故を受け、選挙前は原子力発電導入を否定していましたが、水面下では原発導入を進めている模様です。メディアの報道は、以下の記事にありますように、その水面下の動きに注目するか否かで論調が大きく分かれています。一方、市民側の運動は政府の動きを警戒し活発化しています。

メコン・ウォッチは7月、アジアの原発輸出の問題を考えるセミナーを共催しました。
下記の記事に発言が取り上げられたソッサイ・サンソークさんも講師として登壇いただきました。アジア各国からの講師は、下記の記事にあるノーニュークス・アジア・フォーラムに参加し、福島や広島の経験を自国に伝える活動を強化しています。日本政府は今のところ、自国での原子力政策の見直しと原発輸出推進は別問題、という態度をとっています。私たちはこの原発輸出に強く反対しています。引き続き、メコン河流域の市民社会と協力し、日本政府が原発輸出政策を転換するよう働きかけていきます。

これに関して、日本政府の政策転換を求める国際署名を集約中です。こちらにもぜひ、ご協力ください。
  >> 詳しくはこちらをご覧ください。
また、タイの原子力発電開発に関するページを立ち上げました。ご参照いただければ幸いです。

タイ・エネルギー省、原発承認の必要性を強調

バンコクポスト紙
2011年8月10日

タイは、計画されている原子力発電所建設事業を進めるかどうかに関わらず、原子力発電に関する国際協定の批准を急ごうとしてきた。

エネルギー省の副事務次官Kurujit Nakornthap氏は、昨日(8月9日)、「タイは原子力発電に関する協定を承認する努力を急ぐ必要がある。協定は、原子力に関する科学と健康面の開発を目指す国家の努力に有利に働くだろう」と語った。

Kurujit氏は、3月11日の地震とその結果発生した津波による日本の福島原子力エネルギー省が主催したセミナーの約100人の参加者に対し、講演を行った。

Kurujit氏は、まず原子力安全協定と使用済燃料安全管理合同条約などの条約を批准に失敗すれば、タイは原子力発電所を建設することはできないだろうと述べた。

これらの条約は、国際原子力機関(IAEA)の管轄下にある。

日本の事故以降、タイ政府(訳者注:前政権)は原子力発電所建設計画について調査を行うように命じ、事業を3年間延期することを指示した。

2010年の電力発電計画では、タイは4つの原子力発電所を建設することになっていた。(訳注:実際は5つの計画があった。)

「タイのエネルギー安全保障にとって、多くの選択肢はないのです」とKurujit氏は言う。

「もし原子力発電が不要なのであれば、替わりに石炭や天然ガスを使わなければなりません。今、タイのエネルギーの70%は天然ガスによって作られています」

「もし[天然ガスの]価格が上がれば、私たちはエネルギー危機から逃れられないでしょう」とurujit氏は続けた。

一方、原子力発電に反対するネットワークの代表者たちは、政府は原子力発電計画を廃止すべきだと提案した。

原子力発電計画の実施責任者たちは、日本の人びとの生計に影響を与え、原子力発電に対する世界的な反対運動を呼び起こした日本の原子力発電所の爆発から学ばなければならない、とネットワークの代表者たちは言う。

ウボンラチャタニ県の反原発グループのソッサイ・サンソーク氏は、「私たちは日本の過ちを繰り返したくないのです」と語った。

「私たちは自分の家に爆弾を作りたくはありません。私たちの国に原子力発電所を建設しないために、できることは何でもします」と続けた。

ソッサイ氏は、ネットワークを代表し、7月29日から8月7日に日本で開催された「ノーニュークス・アジア・フォーラム2011」に参加した。

彼女によれば、フォーラムの主催者たちは、日本政府に対し、全ての原子力発電所を廃炉にし、新たな建設計画を破棄するように求めている。

原発の安全面の法制度は未整備

The Nation紙、Pongphon Sarnsamak記者
2011年8月10日

タイ政府は原子力発電所の運営を規制する安全面での法律をまだ公布していないため、原子力発電所建設の計画を進めるための準備が整っていない、とエネルギー省のKurujit Nakornthap副事務次官は述べた。

「タイ政府は、国際的な原子力機構の基準を満たすような、発電所建設のための原子力の安全に関する法律をまだ承認していない」と副事務次官は語った。

Kurujit副事務次官は、エネルギー省が開催した「日本の福島原子力発電所事故とタイの電力管理政策への影響」と題するパブリック・セミナーでスピーチを行った。(同セミナーには)電力関係の様々な機関から約100人が参加した。

3月に起こった日本の福島原子力発電所の事故が起こってから、タイの政府は自国の原子力発電所建設計画を3年間延期することを決定した。

タイ政府は、2030年までに天然ガスの資料を削減したいとしており、原子力発電所を建設する計画は、天然ガスに替わるエネルギー生産を目指していた。

今後3年間、原子力発電所の運営の準備として、タイ政府は原子力発電所を運営する技術と知識を伴った専門家を育成しなければならない、とKurujit副事務次官は述べた。

「原子力発電所を操業するだけではなく、その運営を制御できる人材が必要だ」と彼は言う。

さらに、政府は運営を監視する中立的な機関の設立が必要である。

「中立的な機関は、誰からも干渉を受けず、原子力発電の運営の安全性により注意を払いながら運営されなければならない」と彼は述べた。

「原子力発電に反対するタイ市民のネットワーク」のコーディネーターを勤めるソッサイ・サンソーク氏は、「ウボンラチャタニ県のシリントンダムに近い原子力発電所建設予定地に暮らしている人々は、今、将来に不安を感じている」という。「タイ発電公社(EGAT)は、政府が原子力発電所建設計画を延期したとしても、引き続き職員を送り、計画について住民に説明している。」

ソッサイ氏とネットワークの仲間は、昨日のパブリック・セミナーに参加し、7月29日から「ノーニュークス・アジア・フォーラム2011」と題する国際会議などに参加したことなど、日本での経験を共有した。

彼女は、福島原子力発電所の事故で影響を受けた地元住民と対話し、多くの住民が今も放射能汚染の二次的な影響を恐れていることを知ったという。

福島の住民の一人、大賀あや子さんによれば、日本政府は放射能(の危険性)について、彼女に警告することはなかったという。人々は、放射能汚染からどうやって自分たちの身を守るかをメディアから学んだといい、(政府が作った)原 発事故への備えを説明したブックレットを持っていたが、事故が起きた際に、それはほとんど役に立たなかったという。

(翻訳 東智美/メコン・ウォッチ 文責 メコン・ウォッチ)

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