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カンボジア鉄道復興事業>移転問題に関してNGOが調査報告書を発表

メコン河開発メールニュース2012年3月13日

アジア開発銀行(ADB)が8,400万ドルを融資し、カンボジア政府が実施している鉄道復興事業で再び広範囲におよぶ住民移転・補償問題が発生しています。
(事業の詳細や経緯は、こちらを参照)
昨年(2011年)11月には、移転住民がADBのAccountability Mechanismに異議を申立てました。現在、ADBが調査報告書を作成している段階です。
http://beta.adb.org/site/accountability-mechanism/complaint-registry-year

一方で、移転/異議申立て住民を支援する現地NGO「ブリッジ・アクロス・ボーダーズ・カンボジア(BABC)」も約1年をかけて、首都プノンペンをはじめと するカンボジア各地で計284名の移転住民(約70%が女性)を対象に聞取り調査を行い、今年1月に『脱線〜カンボジア鉄道の復興における移転手続きとそ の影響に関する調査』と題する英文報告書を発表しました【注】。

この報告書は、ADBの鉄道復興事業にともなう住民移転・補償に関して、1)情報公開と住民参加、2)移転補償、3)移転地の条件、4)生計手段と収入、5) 救済措置とアカウンタビリティへのアクセスの5領域にわたって、以下の点をはじめとする27項目の問題点を指摘しています。
・大多数の住民が移転に関する情報を十分に受取っていない。
・補償額が全体的に過少評価されている。
・住民移転が実施された時点で移転地での飲料水の供給など基盤・住環境が十分に整備されておらず、移転地の選定も住民の生活・生計上の必要性を十分考 慮していない。
・移転後の収入の喪失、生活費の上昇、債務の累積によって移転住民の貧困化のリスクが高まっている。
・移転住民は自らの権利、補償条件、異議申立て手続きについて十分に知らされていない。

これらは、メコン・ウォッチが国道1号線改修事業をはじめとするカンボジアの移転問題の改善に取り組む中で、ADBや日本政府に対してすでに指摘してき た問題であり、過去の経験が十分に教訓化されていないことが分かります。

また、『脱線』では、カンボジア政府に対して、改善措置が講じられるまで住民移転を中止し、「改善行動計画」を作成するよう呼びかけ、ADBに対して は、カンボジア政府が「改善行動計画」を作成・実現できるよう支援すること、鉄道事業終了後も引き続き住民移転の状況を監視できる体制を整備するこ となど、24項目を提案しています。

メコン・ウォッチでは、これら27項目の問題点と24項目の提言をまとめ『脱線』の要約を作成しました。以下でご覧いただけます。
http://www.mekongwatch.org/PDF/GMSRailways20120310.pdf

【注】原題は、”Derailed: A Study on the Resettlement Process and Impacts on the Rehabilitation of the ambodian Railway”。英語原文は以 下で閲覧可能。
http://www.babcambodia.org/derailed/derailed.pdf

(文責 メコン・ウォッチ)

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