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タイ原発>タイ市民、大飯原発再稼働に意見

メコン河開発メールニュース2012年6月18日

2012年6月15日、ニュークリア・ウォッチのサンティ・チョークチャイチャムナンキット氏を筆頭とする市民と活動家が下記の書簡に署名を集め、バンコクの日本大使館に提出しました。書簡は、日本の首相に向けて、二度と原子力を利用したくないと考える大多数の日本国民の声を聞き、大飯原発の再稼働見直しと、民主主義の原則を考慮するように求めています。また、日本政府と市民がエネルギー効率化と再生可能エネルギー利用に政策の舵をきるよう応援、日本が他国の手本となるようなリーダーシップをとることを期待する、と表明しています。

要請書には25団体、70名の個人が署名しています(提出には間に合いませんでしたが、その後団体署名は29団体、個人署名80名に増えています)

首相宛ての要請書は日本大使館の三等書記官コンドウ・トモヒロ氏に手渡されました。子供連れの方を含め、集まった参加者は15名ほどでしたが、警備にあたる警官などはその3倍だったそうです。

非常に残念ながら、日本政府は大飯原発の再稼働を決めてしまいました。しかし、タイの社会にもこの再稼働が多くの日本の市民の同意が得られたものではなく、福島の教訓が生かされていない再稼働であるということが広く伝わりました。書簡は批判だけでななく、日本がエネルギー効率化と再生可能エネルギー利用に政策の舵をきっていってほしい、という応援でもあります。日本が変わることを、過剰なエネルギー開発と対峙するタイの市民も期待しています。

以下、書簡のタイ語からの翻訳です。

書簡のPDF版はこちら 

     >> 日本語 
     >> 英語


公開書簡

大飯原子力発電所稼働の決定について

日本国内閣総理大臣野田佳彦殿

2012年6月15日

この書簡に署名をしたタイ国民である私たちは、近日中に福井県の大飯原子力発電所の2基の発電機を稼働するというあなたの決定に、非常な懸念を抱いております。私たちは以下の理由から、貴殿が決定を見直されるようお願いするものです。

1.私たちは日本の内政に干渉するつもりはありません。しかし、原子力の影響は国境を越えます。日本国内の原発のリスクが、他国に影響を及ぼさないと保証はできないのです。私たちは関係者としての権利を行使し、貴殿の決定に意見を述べさせていただきます。

2.福島の事故後、日本だけでなく他国の国民も、原子力発電所の安全について、新しい信頼のおける真に独立した機関による監督を求めてきました。しかしこの改善はまだ始まったばかりです。

3.福島第一原子力発電所4号機の建屋は、まだ安心できない状況です。日本の国民と、私たちの愛する親族である日本で暮らすタイ人の多くは、放射能からの安全が保障されない中で暮らしています。また、福島の復興は困難を極めています。大飯原発は、断層の上にあり、昨年の震災の影響により地震が増えるなかで、事故を起こす可能性があります。これらの理由により大飯原発の再開は急ぐべきものではありません。

4.世論調査によると、今回の再稼働の決定に対し多くの日本国民が賛成していません。国会議員と貴殿の党のメンバーの一部も反対しています。貴殿が、国民の参加、ガバナンス、民主主義の原則を思いおこし、大飯原子力発電所再稼働推進を止めるようお願いします。

私たちは日本が原子力発電所からの電気を失い、困難な状況にあることをよく存じております。しかし、首相である貴殿が述べたように、日本国民の生命を守ることが重要です。私たちは、原子力エネルギーに戻っていくことが、日本の国民の望みではないと信じております。なぜなら、原子力発電は人類にとって危険なものだからです。日本が原子力利用から、エネルギー効率をさらに高め、かつ再生可能エネルギーにシフトする政策に回帰する姿を見せてくれることを、私たちは望んでいます。これは長期的に日本の経済に好影響を与え、また、タイや他のアジアの国の持続的なエネルギー開発の良い手本となることでしょう。

昨年夏の節電は非常な成功を収め、日本政府と市民が困難な状況と闘う上で、力強く前向きな協力関係を構築できることを表しました。これは、原子力エネルギーに依存しないでエネルギー危機の解決にあろうとしている、タイを含む国際社会に対する希望の光なのです。

昨年末、スマート節電協会が日本で設立されました。私たちはこの団体が正しく機能し、日本人の生活スタイルを変えエネルギー効率の良い社会を作り、それが更に他国のお手本となるよう願っています。
私たちは、日本が世界の市民社会にとり重要な役割を担っていると考えています。日本での原子力エネルギーの減少と廃止は、見本として他国に強い影響を与え、後に続こうという力を及ぼします。これは世界の原子力エネルギーのリスクを低減させるでしょう。私たちがここまで述べてきたことに、日本の多くの市民が同意されていると信じております。

敬具

(賛同者団体名・氏名)
*提出時団体署名25団体、個人署名70名


(翻訳・文責 木口由香/メコン・ウォッチ)

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