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メコン河開発メールニュース2014年1月22日
1月20日のメールニュース「ベトナムの原発、2020年には稼働しない可能性」
http://www.mekongwatch.org/resource/news/20140120_01.html
でお伝えした通り、グエン・タン・ズン首相は先日、ロシアの援助で建設予定のニントゥアン第一原発の計画の延期を示唆しています。ところが、ロシアの原子力公団、ロスアトムは2017年に着工の予定で計画を進めていると発表しました。これはズン首相の、「起工は2020年まで延期」という発言とは異なります。このような齟齬が生じるのも、海外援助に頼り原発開発を進めようとしているベトナム側の準備不足を露呈しているとも取れます。
匿名の翻訳者の協力によって関連記事の翻訳をお伝えします。
2014年1月18日 11:31(グリニッジ標準時+7)
『トゥオイチェー(訳注:若者)・オンライン』
ロシアの原子力公団、ロスアトムはニントゥアン第一原発建設のパートナーであるが、このたび稼働開始のタイミングは2023年から2024年になるだろうと述べた。
「これはロシア国家原子力エネルギー団とベトナム商工業省との統一見解の一部で、2013年2月より直属の関係諸機関の合意も得ている内容だ。」と、ロスアトムのプレス発表が1月17日に伝えた。
ロスアトムによると、稼働開始を延期する決定はベトナム側の要請により行った。なぜなら、原発の建設には非常に大量の準備が必要で、関係する法律の整備や、技術インフラの整備、また具体的な原発の建設工事や運転が要求する人材の育成が欠かせないからだ。
ロシア設計によるニントゥアン第一原発の建設にかかる作業工程は、現在も展開中だ。これには、技術設計、住民移転、インフラ建設が挙げられる。ロスアトムは同時に、原発の建設は2017年に着工すると伝えた。
原発建設と同時に、ロシア側ではベトナムの人材育成も行っている。2013年には240名以上のベトナム人留学生がロシアの研究所と大学で原子力技術についての研修を受けている。ロスアトムはさらに、ロシア国内で建設中の原子力発電施設の現場での、ベトナム人専門家の実習も行っている。同じく2013年に、ロストフ原発第3、4号基の建設現場で51名の実習生が任務を終えた。
2014年1月上旬には、新たに100名の専門家からなる研修が始まり、ロストフにやって来て、1年間の技術向上研修を始めている。ロスアトムはまた、ベトナムに原子力科学技術研究所の建設を支援している。これには新しい研究炉1基と複数の実験室や関連の専門研究室を備えている。
(H. ザン)
原文(ベトナム語)はこちら:
http://tuoitre.vn/Kinh-te/590800/rosatom-nha-may-dien-hat-nhan-ninh-thuan-khoi-cong-nam-2017.html
(20/01/2014)
(文責 メコン・ウォッチ)