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 メコン本流ダム>MRC評議会をめぐる動き(1) ラオス政府、近隣国の要請を無視して工事を開始

メコン河開発メールニュース2014年6月25日

明日6月26日、タイの首都バンコクで、メコン河委員会(MRC)第20回評議会(Council Meeting)が開催されます。この席では、ラオス政府が推進する第二のメコン河本流ダム、ドンサホン水力発電所の扱いなど、流域の豊かな自然環境・資源や6千万人の住民の未来を左右する重要な議題が話し合われます。

私たちは、この機会に、MRC評議会の模様や本流ダム開発をめぐる最近の動きをシリーズでお伝えします。第一回目は、ラオス南部に計画されているドンサホン水力発電所の現状です。ドンサホン・ダムは、水位が下がる乾季に魚群が回遊する水路を遮断するため、ラオス以外のMRC加盟国、タイ、カンボジア、ベトナムの三か国政府が、MRCでの協議を尽くすようラオス政府に強く要請しています。(ドンサホン・ダムについては、以下のサイトをご覧下さい。http://www.mekongwatch.org/report/tb/Donsahong.html

ところが、ラオス政府は、こうした要請を無視して工事を始め、ダムの既成事実化を狙っています。以下は、この件を報じた現地紙の日本語訳です。

ドンサホン・ダムの建設が進行中、NGOが指摘

2014年6月19日【訳注1】
『プノンペンポスト』
Laignee Barron記者

環境保全団体が最近ラオスを訪問したところ、近隣国から非難を受けて問題となっているドンサホン・ダム(発電容量260メガワット)の建設工事が始まっていることが判明した。

先頃、環境保全団体インターナショナル・リバーズの職員が、ドンサホン・ダムの建設予定地を訪れたところ、すでに事業者がダム建設の搬入路となる橋を架けはじめていたとのことである。【訳注2】

ドンサホン・ダムを公然と批判しているTek VannaraカンボジアNGOフォーラム代表は、この知らせに対して、昨日、「想定内のこととは言え、残念である」と語った。

「事業者がダム計画を着々と進めることで、メコン河流域に住む何百万人の人びとが被害を受けることになる」「近隣諸国からは、事業者に対して、ドンサホン・ダムがメコン河に及ぼす影響を十分に理解するための科学的な追加調査を行うまで待て、と言ってきた」とVannara代表は述べた。

4月に開かれたメコン河委員会(MRC)首脳会議では、ラオス政府に対して、カンボジア、タイ、ベトナムの三か国政府が、本流でのダム建設を10年間棚上げし、メコン河の共同利用に関する科学的な追加調査の実施や合意形成の努力を求めたところである。【訳注3】

事業者側は、ドンサホン・ダムがメコン河を遮断するのではなく、分流部分に建設されることから「本流ダム」と考えるべきではないと主張している。一方、反対派は、ダムがメコン河や回遊魚にもたらす影響を鑑みて、カンボジアをはじめ、影響が顕在化する可能性のある下流国との協議を経るべきであると主張している。

インターナショナル・リバーズによる、ドンサホン・ダム建設予定地での工事開始の報告は、(明26日)バンコクで開催されるメコン河委員会(MRC)の議題の一部として、下流四か国政府(ラオス、タイ、カンボジア、ベトナム)が、ドンサホン・ダムを協議事項として扱うか否かを検討するちょうど一週間前に飛び込んできた。

同じく環境保全団体の世界自然保護基金(WWF)も昨日の声明で、MRC加盟国四か国が、回復不可能な被害をもたらす恐れのあるダム開発よりも、食糧安全保障や生物多様性の保全に努めるべきであると述べている。

世界自然保護基金はこれまでも、ドンサホン・ダムの事業者が、下流の環境への影響を十分に考慮せず、影響住民に適切な情報を提供していないと指摘してきた。

「ドンサホン・ダムを中止するために残された時間は少ない」と、Chhith Sam Ath世界自然保護基金カンボジア代表は述べている。

【訳注1】原文(英語)は、下記で閲覧可能
http://www.phnompenhpost.com/national/ngo-says-work-don-sahong-dam-under-way

【訳注2】インターナショナル・リバーズの報告は、以下で閲覧可能
http://www.internationalrivers.org/node/8343

現地の様子が分かるスライドショーは、以下で
https://www.flickr.com//photos/internationalrivers/sets/72157644803707020/show/

【訳注3】4月の首脳会談で、カンボジア、タイ、ベトナムの三か国政府は、ドンサホン・ダムをメコン河委員会(MRC)で正式に協議するよう求めた。

(文責・翻訳 土井利幸/メコン・ウォッチ)

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