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ホーム > 資料・出版物 > メールニュース >カンボジア鉄道復興事業>移転住民がADB前で抗議行動

 カンボジア鉄道復興事業>移転住民がADB前で抗議行動

メコン河開発メールニュース2014年6月30日

6月26日、アジア開発銀行(ADB)が融資するカンボジアの鉄道改修事業で立退きを余儀なくされた住民たち数百名が、首都プノンペンにあるADB事務所前で抗議行動を行いました。住民たちは、4年以上にもわたって移転・補償の不備を訴えてきましたが聞き入れられず、今年1月、独立調査委員会が政策違反を指摘するに至って、ADBはようやく根本的な問題解決に乗り出しました(この事業の問題点については>http://www.mekongwatch.org/report/cambodia/GMSRailway.html)。

ADBは、独立調査委の報告書を承認した直後、1月31日の発表で、以下のように述べています。「(独立調査委は)報告書で、影響住民への補償が不十分であった例を数多くあげている。また、ADBが影響住民への情報公開や協議において、自らの政策を十分に遵守しなかった点も明らかになった。さらに、独立調査委の報告書は、移転地の設備によって不備があり、不服申し立て手続き十分でなく、収入回復プログラムに遅延が生じた点も断じた。

「ADBは、補償などの問題をすみやかに解決すべきだとの点に同意する。ADBは、カンボジア政府をはじめとする関係者と即時に協議を開始し、実現可能かつ期限を明確にした行動計画を準備することに全力を傾ける。行動計画を60日以内にまとめ、すみやかに実施に移す」(ADBの発表は>http://www.adb.org/news/cambodia/statement-gms-rehabilitation-railway-cambodia-project-final-report-compliance-review-p)。

私たちは、ADBが自らの政策違反を認め、期限を設定して移転問題の解決にあたる決定を下した点を歓迎・評価します。

ところが、60日を過ぎADBが提示した行動計画は、影響住民の期待を裏切る内容でした。しかも、住民がくりかえし要請するまで行動計画案を公表せず、協議にも応ぜず、住民が提出した意見書にも回答せずといった具合で、住民の不安と不満はつのるばかりでした。このままでは根本的な解決は望めないと判断した住民は、やむにやまれぬ気持ちで今回の抗議行動に踏み切りました。

以下では、6月26日の抗議行動の様子を、現地紙の日本語訳を通して紹介します。なお、ブログには画像も掲載していますので、合わせてご覧下さい(http://mekongwatch.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/adb-1cc7.html)。

抗議行動を受けたEric Sidgwickカンボジア事務所長は、住民代表を招き入れ、3時間以上にわたって話し合ったということです。これを機会に、ADBが一日も早く移転問題を解決し、事業の不遵守状態を是正することを期待します。メコン・ウォッチも、この点を、ADBの最大出資国である日本政府に働きかけていきます。

立退き住民ADBに抗議

Khouth Sophak Chakrya
プノンペン・ポスト
2014年6月27日【訳注1】

昨日(6月26日)、首都プノンペンの立退き住民に、バッタンボン、バンテアイ・メンチュイ、プレア・シハヌーク県から何百人もの住民が加わり、アジア開発銀行事務所前で抗議行動を行った。

住民たちは、ADBが1億4,300万米ドルを資金提供した鉄道網改修事業により元の住居から立退きを受け、多くが移転後に生活を悪化させたことで、異議を申し立てていた。

「雨季になると排水設備の不備で、わが家の周りの道が冠水する」とポイペトからやって来たChho Savonさんは、移転地の現状を説明した。「移転地に家を新築するため借金をした。だから、ADBには基盤整備をしてもらいたい」。

抗議に参加した住民たちは、プラカードに「(移転地には)学校、保健所、基盤整備、排水設備が必要だ」といったスローガンを掲げた。

住民たちが鉄道改修事業のために立退きを始めたのは2010年のことである。

人権団体は、そもそも住民移転計画に問題があったと指摘している。

今年初頭、ADBの内部調査機関が公表した報告書は、ADBの監督下でカンボジア政府が実施する住民移転が、ADB自身のセーフガード政策を遵守できなかったと辛辣に批判している。

住民たちは、移転地の劣悪な設備に加えて、立退きの際に失った収入分の補償をもらえず、受け取った補償は物価の上昇に見合っていないと主張している。その結果、住民の多くは債務を抱えることになったとしている。

シアヌークビルから来た住民代表のLim Chekさん(46才)によると、ADBは現状改善のための計画をめぐって住民を協議する約束をした。ところが、カンボジア政府の管轄官庁が、ADBの理事会が承認した行動計画を郵送してきただけだった、とLim Chekさんは語った。

これに対して、昨日、ADBのEric Sidgwickカンボジア担当部長は、影響住民と協議をすることを約束した。

「ADBは、影響住民代表から、要請書簡と(行動計画への)意見書をたしかに受け取った。そして、住民があげた課題への対応を視野に住民と協議を続けていくことで合意した」

 

【訳注1】英語原文は、以下で閲覧可能>http://www.phnompenhpost.com/national/evictees-take-protest-adb

 

(文責・翻訳 メコン・ウォッチ)

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