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ドンサホンダム>開発の成果を吹き飛ばす爆弾事業、密かに進行?

メコン河開発メールニュース2014年10月20日

メコン河の魚は、人びとの命と暮らしを支える生活の糧です。例えば、カンボジアでは漁業はGDPの十数%を生み出し、400万人以上が従事する一大産業です。

メコン河の漁業については、こちらをご参照ください。 http://www.mekongwatch.org/platform/bp/japanese1-4.pdf

その魚の生態に大きな影響を与えることが強く懸念される、ラオスのドンサホンダム(メコン本流に建設)について、メコン河の持続的な開発のために結成されたメコン河委員会(MRC)が、公に何ら告知をせずに、その協議の過程をひっそりと終了しようとしていることが、先週明らかになりました。

これまでお伝えしてきた通り、当初ラオス政府はダム建設の告知のみで、協議は行わずに事業を進めようとし、各方面から強い批判を受けていました。

これまでの動きについては、こちらをご覧ください。 http://www.mekongwatch.org/resource/news/20140627_01.html

ドンサホンダムの建設に関連したメコン河の架橋事業は中国国営企業のシノハイドロ社の関連会社が受注しており、現在同社がダム本体の建設に関わるか否か、協議が続いているとの情報も出ています。

これまで、タイの漁民を中心とした市民グループやカンボジア・トンレサップ湖周辺の住民が建設に強い反対を示しているほか、ベトナムからも大きな懸念の声が上がり、ダム開発について議論の場が求められてきました。もしこのまま協議が終わってしまえば、メコン河流域の人びとの食料安全保障は、持続的な開発をうたう流域の調整機関のMRCにすらないがしろにされてしまうことになります。

ドンサホンダムなど、メコン河のダム開発によって失われる環境と自然資源は、流域の人びとが生存のために利用しており、どのような貧困削減プロジェクトをもってしても代替できません。ドンサホンダムは、今まで様々な機関や人びとがメコン河下流域で取り組んできた、貧困への取り組みを根底から否定するような事業です。このような重大な決定が、国際社会や流域国の住民、特に一番大きな影響を受けるであろうカンボジアの漁民にも何の説明もなく進んでいます。流域の開発に関わる日本のみなさまも、この事業の行方に注意を向けてくださるようお願いします。

以下は、カンボジアのプノンペンポスト紙の記事翻訳です。


速すぎる協議:ラオスのダムへのコメント期間が閉じられようとしている

2014年10月13日
『プノンペンポスト』
Laignee Barron記者

非常に静かに、そして公的な告知も全くないまま、議論の的となっていたラオスのドンサホンダムへの政府間の評価プロセスが、誰も始まったことを知らないうちにほぼ終わろうとしている。

6月、ラオスは260メガワットの事業に対し、近隣国との6か月の協議期間をしぶしぶ認めた。先週、プノンペンで開かれた会合でメコン河委員会は、このプロセスが実は7月25日には始まっていた、と宣言した。

「告知、というより、どちらかといえば2か月以上告知がなかったことは、いかにプロセスが後退したかを証明している」と(米国NGO)インターナショナル・リバースの東南アジアディレクターであるAme Trandemは述べた。

ラオスは地域協議を、地域内の誠実な議論とメコン河本流ダムに関する調査に使うのではなく、協力への見せかけに使っている、と近隣国に非難されていた。

カンボジアの国内メコン河委員会は昨日、長く求めていたドンサホンダムの越境(環境)影響調査は、今年の末に完了する予定だと述べた。

(翻訳・文責 木口由香/メコン・ウォッチ)


記事の原文はこちら:
http://www.phnompenhpost.com/national/consult-quickly-door-closing-laos-dam-input-period

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