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ビルマ・ダウェイ経済特区>現地市民グループ、正式な事業参加を表明した日本に問題への注意喚起と情報公開を要求

メコン河開発メールニュース2015年8月10日

8月4日、ビルマ南部ダウェイの現地市民グループがダウェイ経済特別区(SEZ)、および、関連事業への日本の参加について懸念を表明するレターを日本の外務省、国際協力機構(JICA)、国際協力銀行(JBIC)に提出しました。

同事業については、ちょうど1ヶ月前となる7月4日に東京で開催された「第7回日本・メコン地域諸国首脳会談」のなかで、日本、ビルマ、タイの3ヶ国が「ダウェー経済特別区プロジェクトの開発のための協力に関する意図表明覚書(MoI)」に署名し、日本政府が事業への参加を正式に表明した形となっていました。同SEZは、完成すれば東南アジア最大の工業地帯(20,451ヘクタール)となることが見込まれている大型案件ですが、2013年には資金調達の失敗からタイの企業が撤退し、事業の先行きは不透明な状態が続いていました。

今回のレターは、2015年4月にも同事業の既存の問題点やリスクについて、日本政府機関に警鐘を鳴らすレター(http://mekongwatch.org/resource/news/20150707_01.html)を出していたダウェイ開発連合(Dawei Development Association:DDA)と現地の2団体が連名で提出。同事業に伴って将来起きる問題だけでなく、これまでに起きてきた未解決の問題についても、日本が責任をもって解決に取り組んでいく必要があると指摘しています。

また、これまで、同SEZ事業で行なわれてこなかった「住民にとって意味のある協議」をより早期の段階から行ない、住民の意見が事業の意思決定に反映されるよう、日本政府がしっかり確保していく必要性を強調。住民が意見できるよう、既存のマスタープランや調査の手法等についても情報公開を求めています。

日本の政府・企業は、ダウェイSEZ開発事業に参加を表明した今、相手国政府だけでなく、現地住民・グループの懸念・意見にもしっかりと耳を傾け、情報公開・協議など、しかるべき対応をとっていく必要があります。

以下、現地グループ3団体が8月4日付で日本政府・JICA・JBICに対し提出したレター「懸案であるミャンマー・ダウェイ経済特別区、および、関連事業への日本の関与に関する地元グループの懸念に対する注意喚起について」を和訳でご紹介します。

現地グループ3団体から日本政府・JICA・JBICへのレター
(2015年8月4日付)(原文は英語。その和訳)

外務大臣 岸田 文雄 様
国際協力機構 理事長 田中 明彦 様
国際協力銀行 代表取締役総裁 渡辺 博史 様

CC:
内閣総理大臣 安倍 晋三 様
財務大臣 麻生 太郎 様
経済産業大臣 宮沢 洋一 様
日本貿易振興機構 理事長 石毛 博行 様

2015年8月4日

懸案であるミャンマー・ダウェイ経済特別区、および、関連事業への
日本の関与に関する地元グループの懸念に対する注意喚起について


私たち、ダウェイ開発連合(Dawei Development Association:DDA)は、つい先日、ミャンマー、および、タイ政府との意図表明覚書(MoI)の署名という形で、ミャンマー・タニンダーリ地区のダウェイ経済特別区(SEZ)事業への参加を日本が確認したことを受け、非常に懸念を抱いており、2015年4月27日付で貴職に提出した我々の書簡【1】への注意を喚起したく、本書簡を書いております。先の書簡で言及したとおり、ダウェイにおけるこれらの開発事業は、すでに深刻な社会環境影響や人権侵害を近隣のコミュニティーに引き起こしています。私たちはこれらの課題に関する懸念を示し、JICA、および、あらゆる潜在的な日本のステークホルダーが、このように問題を孕んでいる事業に現時点で参加しないよう要求するとともに、既存の問題や課題が適切に解決され、地元コミュニティーへのさらなる負の影響を回避、もしくは、軽減するための計画がしっかり策定されるまで、日本が関与を控えるよう要求してきました。

DDAがダウェイ地域での広範囲な調査を実施した結果、ダウェイSEZや関連事業によって、20から36村の住民が直接的な影響を受けると予測されているということを私たちは繰り返し述べさせていただきます。 【2】ダウェイSEZ事業の直接的な影響を受ける20村での私たちの量的・質的調査の結果では、事前に何ら情報提供もなく、コミュニティーが重要な生計手段である農地や天然資源を失っていることが明らかになりました。影響を受ける村人との意味ある協議は行われておらず、調査を受けた影響住民の74%が、政府は事業開始前にダウェイSEZ開発に対する同意をとらなかったと回答しました。 【3】補償手続きにも大変不備がありました:調査対象者の63%が、政府役人や企業スタッフが補償に関する入手可能な情報を開示しなかったと回答し、59%が補償支払いに関する書類を受け取っていないと回答しました。 【4】

さらに、ダウェイSEZの開発主体はこれまで、強制退去、十分な食住への権利、そして、先住民族の権利に関する国際、地域、国内レベルの関連法規、基準、その他の責任を守ってきませんでした。もし、日本がダウェイSEZに関連した事業に加わるならば、日本はまず、こうした問題への取り組みが十分になされるよう確保しなければなりません。

以前のレターで、私たちは、貴職が地元コミュニティーを尊重することを期待し、ダウェイSEZ、および、関連事業への懸念を日本政府や関連するステークホルダーに示してきました。また、ダウェイSEZや関連事業に関与することに伴う政治的・経済的リスクについても、貴省に警鐘を鳴らしてきました。

しかし、2015年7月4日に署名されたMoIのなかで、すでに日本政府がダウェイSEZ、および、関連事業について、主に3つの関与を決定したことを私たちは知りました。すなわち、国際協力銀行(JBIC)又は国際協力機構(JICA)を通じて、ダウェイSEZ開発会社(SPV)に対する均等出資をすること、技術協力を目的としたJICA専門家を派遣し、3年以内に既存のマスタープランを精緻化するために協力すること、そして、本格開発事業における新規幹線道路の建設のあり方を探るため、事前事業化調査(プレF/S)を実施することです。

したがって、私たちは、将来同事業によって引き起こされる追加的な影響だけではなく、これまでミャンマー・タイの両国政府や企業が対処してこなかった同事業による既存の環境社会影響や人権侵害についても、日本が責任を果たさなくてはならなくなったことについて、貴職に注意喚起をさせていただきます。

また、同事業の早期の段階において、日本が影響を受けるコミュニティーとの意味ある協議の場を確保するよう、つまり、同事業の早期の段階に影響を受けるコミュニティーの考えや意見に十分に耳を傾け、その意見が意思決定過程に反映されるよう求めます。この点について、コミュニティーが日本の役割や同事業自体についてよりよく知り、彼らの意見を提供することで意思決定過程に参加できるよう、日本政府、もしくは、関連機関が以下の情報を開示、あるいは、提供することを私たちは要求します。

A) SPVの組織構成(日本の関連機関がどのように委員会や下部委員会に関わるのか)
B) 既存のマスタープラン
C) 本格開発事業における新規幹線道路に関するプレF/Sの委託業務指示書(ToR)ドラフト版(私たちは、JICA環境社会配慮ガイラインの下、同事業がカテゴリーAに分類されると仮定しています。ガイドラインでは、「カテゴリAプロジェクトについては必ず、現地踏査及びステークホルダーからの情報・意見の収集を行い、その結果をTORに反映させる」ことが要件とされています。)

以上、ご配慮いただけますようお願いするとともに、ご回答をお待ちしております。

ダウェイ開発連合(Dawei Development Association)
タカパウ(Takapaw)
ダウェイ調査協会(Dawei Research Association)



【1】 付属文書1を参照
【2】ダウェイSEZ、および、関連事業による地元コミュニティーへの影響について、より詳細な情報は、 http://www.ddamyanmar.com/?p=811 の”Voices From the Ground: Concerns Over the Dawei Special Economic Zone and Related Projects(調査報告書「現場からの声:ダウェイ経済特別区および関連事業に関する懸念」” を参照のこと。
【3】上述の調査報告書38ページを参照
【4】上述の調査報告書47ページを参照

 

(文責/翻訳 メコン・ウォッチ)

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