ホーム > 資料・出版物 > メールニュース > ラオス > 社会活動家誘拐>事件から5年、夫人や国外追放された活動家が訴え
メコン河開発メールニュース2017年12月14日
アジアのノーベル平和賞と呼ばれるマグサイサイ賞を受賞したソムバット氏が誘拐されてから、12月15日で丸5年となります。
「政治的強制失踪」と呼ばれるこの事件について、詳しくはこちら。
http://www.mekongwatch.org/report/laos/laos_disappearance.html
ソムバット氏及び事件についてのビデオ(2017年制作、2分35秒、英語、日本語字幕)。
https://www.youtube.com/watch?v=b6bSozGtXzY
その日を控え、12月7日に「ソムバット・ソムポーン氏の事件から5年:真実と正義への要請は続く」と題した会見が、バンコク外国人記者クラブで開かれました。会見にはソムバット氏夫人Ng Shui Meng氏と、アセアン人権議連の代表を務めるCharles Santiagoマレーシア国会議員、そしてスイスのNGO元代表で、氏の誘拐と同時期にラオスから国外追放処分を受けたAnne-Sophie Gindroz氏が臨みました。RFAの記事を翻訳してお伝えします。
2017年12月8日
Radio Free Asia
ラオスの農村開発活動家ソムバット・ソムポーン氏の夫人が、木曜、ラオス政府に対し、5年前に首都ビエンチャン郊外の警察検問所(前)から失踪した夫の生死に関連する疑問に答えるよう、呼びかけた。
マレーシアの国会議員、そして人権団体メンバーも参加したバンコクでの記者会見で、シュイメンさん(Ng Shui Meng)は、ラオス当局がソムバット氏の失踪について捜査すると繰り返しながらも、何もなされていない、と述べた。
国家関係者の手によるとみられるソムバット氏の強制失踪から、あと1週間で5年となる日、「私はラオス政府に真実を語るよう、再度お願いする」と在シンガポールのシュイメンさんは語った。
シュイメンさんは「彼の生死を知らなければならない」と言う。
「ソムバットがいなくなってから5年が経つ。私は答えが欲しい、答えを得られるまで同じ質問を続ける」と彼女は語った。
ビデオ(防犯カメラ)映像は、ソムバット氏のジープ(車)が2012年12月15日に警察の検問所で止められたのを映している。映像では、ソムバット氏は白いトラックに強制的に乗せられ、連れ去られ、その直後に白い服を着た男が現れ彼のジープに乗り込みどこかへと走り去る。
のちに警察は捜査すると約束したものの、ラオス当局がそれをすぐに撤回し、映像に映っている男を特定できないと述べながら、外国の専門家による映像分析の協力申し出は断った。
誘拐の前、ソムバット氏は、ラオスの農村で政府により結ばれた大規模な土地契約が、少しの補償しか払われず、数千人に及ぶ住民がホームレス状態になったことを課題としていた。この契約は、政治に関する発言が厳しく統制されているラオスで、稀なことに、大衆による反対運動を引き起こした。
ソムバット氏の数十年に亘る、農民および持続可能な農業のための活動は、ラオスの貧しい農民を力づけたとして、国連の人材養成賞につながり、またのちに、コミュニティへの指導力が評価され、名誉あるラモン・マグサイサイ賞の受賞ともなった。
バンコクでの記者会見では、スイスの援助機関Helvetasの元代表Sophie Gindroz氏も、ラオスで当局に目をつけられたのち失踪したのはソムバット氏だけではない、と発言した。
ほかにも失踪していて、おそらくその多くとは再会できないだろうとGindroz氏は語った。彼女もラオス政府に批判的な意見を述べたとして2012年12月にラオスから追放されている。
原文(英語)はこちら
Sombath Somphone's Wife Calls Again on Laos to Explain His Disappearance
http://www.rfa.org/english/news/laos/disappearance-12082017150901.html
(文責・翻訳/メコン・ウォッチ)