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ラオス>セピアン・セナムノイダム決壊事故(4):遅れる支援

メコン河開発メールニュース2019年4月23日


2018年7月23日にラオス南部で発生したセコン川水系に建設中のセピアン・セナムノイ水力発電ダム(以下XPXNN)事故について、これまでの報道や現地訪問の情報を、7回にわたってお伝えしています。4回目は2018年12月末時点での現地の状況です。

まず、現地がどのような場所であるかを理解していただくため、メコン・ウォッチが、アッタプー県TV局と協力して制作した映像をご紹介します。(You tubeのリンクに移動します)

ルム・パー オイ民族の水田養魚

森の救荒食ゴイ

今回の被災者にオイ民族の方が多く含まれています。

アッタプー県は自然や資源が豊かで、多くの少数民族の人たちが暮らす場所です。しかし、鉱物資源などがあることで、乱開発の対象になるなど、近年様々な問題が起きてきてもいました。以下、ご参照ください。

フォーラムMekong PDF版第2号

資源の呪い ラオス南部アッタプー県にみる開発の現状 (2013年6月発行)

 

2018年12月の下旬、チャンパサック県からダムの貯水池があるボロベン高原を抜け、車でアッタプー県に向かいました。途中、土砂崩れが起きているところで止まり、写真を撮影しました。アッタプー県側から見るとボロベン高原は切り立つ山のように見えます。その山肌の上部があちこち崩れ、樹木が倒れ表土も見えています。足元には道路にまで、直径0.5-1メートルの岩が転がってきています。崩れた山肌から落ちてきた、と同行の運転手さんが説明してくれました。崩れているのは、XPXNNのように高原に貯水池を建設し、平地に発電所を建設したフアイホ水力発電所近くでした。

セーピアン川は車でも渡れますが、新築の橋は事故で崩れ、下流にあった古い橋を再び使っている状況です。アッタプー中心地から被災地のサナームサイ郡までは30kmほどです。

当初避難者を受け入れていたサナームサイの街は、ほぼ通常の状態に戻っています。帰宅が困難な6村の人々は、5つのキャンプ(タマヨート、ドンボック、バーンハートヤーオ、ピンドーン、ルンバーク)に収容されています。キャンプは赤十字などの支援で衛生状態は問題ない様子です。しかし、居住状況はすこぶる悪いと言わざるを得ません。

当初、学校などに収容された住民は、国連の災害基準にあった仮設住宅を支給されています。スチール製の住宅は雨漏りなどの心配はないものの、昼間は暑く、夜は冷えるため、とても過ごしにくいと言います。体調を崩す人も多いそうです。直接床に寝たくないので、ベッドや寝具の支給を求めているが、もらえるかどうかわからない、と村人代表は不満を口にしていました。

この時点すでに事故から5ヶ月が経過していましたが、一部の住民はまだテント暮らしを強いられていました。また、住民が支給された仮設と仮設の間に板を渡し、自分たちが過ごしやすいよう居住スペースを広げているのがあちこちに見られます。これを住民は自費で行なっており、政府の支援は受けられないそうです。暑い昼間、集会場や自分たちが作った小屋で、年配の人たちや子供達が過ごしていました。キャンプのスペースが狭く、プライバシーが保てないのも問題です。

体調に問題のない人は、昼間は元の村に戻り、女性は林産物の採取、男性は魚とりをして食料を調達しています。政府から一人当たり米20kg/月と1日5,000キープ(約65円)の現金支給があるそうですが、ラオスとはいえ、この額は生活に十分なものではありません。当初殺到した物資の支援も、現在はほとんどなくなっています。また、援助物資は食料や水、服だったので、漁具や台所用品といったものの支給は十分でなく、キャンプでの不便な生活を強いられています。

ラオス政府は事故当初から、壊滅状態になった6村について、帰還ではなく移転を決めていました。しかし、住民の一部はそれに賛成しておらず、元の村に帰って家を片付けている人も出始めています。マイ村で会った女性は、キャンプでは体調を崩してばかりで、とても住み続けられないと強い口調で不満を述べていました。彼女は元の家に戻ることを希望しています。ラオス政府が住民に恒久的な住宅を提供するまで、4、5年かかる予定ですが、各村の村長を含め、話を聞いた誰もが、「こんなところにあと4年以上も住めない」と口々に言っていました。

半年がたち、各家庭に支給されている浄水器が壊れたりするケースもあるそうです。一部のキャンプは、生活用水の支給が十分ではなく、住民は近くの小川に出かけています。この地域で、小川の一部は乾季の終わりに水がなくなります。雨季が始まる前の生活用水の不足は心配です。ピンドーン・キャンプの代表は、「今、学校に水場が1か所あるだけ。住民に行き渡るには4か所は必要。本心では20か所は作ってほしいが(無理だろう)」と話していました。ハートヤーオ村キャンプの仮設住宅は、床面が地面と非常に近く、雨が降ると仮設の中に水が流れ込んでくると言います。次の雨季までに、仮設の床をあげてほしい、という意見も出ていました。

当初報道された、大雨の中のテント暮らしが続くような悲惨な状態からは一定抜け出したとはいえ、まだ被害者に支援が十分に行き届いていません。

現地では、村長が要望をあげてもなかなか状況が改善されない、という声を多く聞きました。

事業実施企業、特にダム建設に関わるSK Engineering and Construction (SK建設)が責任を持って、住民の細かい要望に真摯に対応すべきでしょう。

 

訪問時の現地写真は、メコン・ウォッチのフェイスブックにアップしてあります。

(アカウントのない方もご覧になれます)

http://bit.ly/2GCBqSn

 

(文責:メコン・ウォッチ)

 

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