ホーム > 資料・出版物 > メールニュース > ミャンマー >カイン(カレン)州で武力衝突、国内避難民増加
メコン河開発メールニュース2021年1月28日
ミャンマーでは政府と少数民族の間で、1948年の独立時から紛争が続いています。「少数」と表現されますが、多数派のビルマ民族を除く同国の人口の約1/3が少数民族です。
民族和解がアウンサンスーチー政権下で進むことが期待されてきましたが、昨年10月にお伝えしたように、国内での紛争は収まっていません。
2020年12月初めからミャンマー(ビルマ)のカイン(カレン)州とバゴー管区域でミャンマー国軍とカレン民族同盟(KNU)との戦闘が起き、多数の住民が避難しているとRadio Free Asiaが伝えています。
「地元住民がRFAに述べたところによれば、バゴー管区域ニャウンレビン地区チャウジー郡で両軍が衝突し、1月5日以降、6つの村の住民1000人近くが村から逃げて国内避難民(IDP)となっている。避難民は食料や薬その他の物資を必要としているが、当該地域に入るのが危険であるためカレン民族の市民社会団体も物資を届けることができずにいる。」
出典:
RFA 記事(2021年1月22日)
同州パプン(ムトロー)県のメーワイ村が国軍によって焼かれた、とされ拡散されているツイッターの画像:
https://twitter.com/PVamplify/status/1353733819426353153?s=20
KNUは2015年に全土停戦協定(NCA)に署名していますが、それ以降も国軍とKNUとの衝突が断続的に起きています。KNUの勢力は、ダウェイ経済特別区が計画されているタニンダーリ管区域にも及び、そこには、タイのカンチャナブリとダウェイを結ぶ幹線道路が通る地域も含まれています。
カイン(カレン)州の避難民の数はもっと多い可能性があり、カレン平和支援ネットワーク(KPSN)は18日付の声明で「3700人以上」、欧州カレンネットワークは26日付の声明で「4000人」としています。1月20日には170以上の市民社会団体がミャンマーのウィンミン大統領とアウンサンスーチー国家顧問に手紙を出し、カレン州での武力紛争を終わらせることへの支援を求めています。
出典:
カレン平和支援ネットワーク(KPSN)声明(2021年1月18日)
欧州カレンネットワーク声明(2021年1月26日)
(文責:メコン・ウォッチ)