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ホーム > 資料・出版物 > メールニュース > ミャンマー >カチン州での国軍の攻撃に関する報告書『空からの新たな脅威』

カチン州での国軍の攻撃に関する報告書『空からの新たな脅威』

メコン河開発メールニュース2022年6月7日

 

タイに拠点を置くカチン女性協会(KWAT)が6月1日に報告書『空からの新たな脅威』(New Threats from the Air: Human rights violations by SAC forces in Kachin and northern Shan State, November 2021 - April 2022)を発表しました。

この報告書は、2021年11月から2022年4月までの半年にミャンマー国軍がカチン州およびシャン州北部で行なった民間人居住地域への空爆や砲撃、民間人の恣意的拘束や「人間の盾」としての使用などについての情報をまとめたものです。

この地域では、カチン独立軍(KIA)や人民防衛隊(PDF)などと国軍との戦闘が続いており、空爆や砲撃はKIAなどによる攻撃に対する報復として行なわれたものもあるようです。KWATによれば、期間中に民間人居住地域への空爆が5回(2人死亡、15人負傷)、民間人居住地域への砲撃が13回(8人死亡、20人負傷)ありました。

さらにKWATによれば、期間中に空爆や砲撃の他にも民間人に対する無差別銃撃が13件(11人死亡、7人負傷)、民間人の「人間の盾」としての使用または強制労働が5件ありました(被害者数は34人)。また23人が恣意的拘束を受け、うち7人が拷問をされたとのことです。

報告書には詳細な地図や表、関係者による証言が含まれ、空爆や砲撃、銃撃、強制労働などが起きた日時や状況、関係する国軍の部隊が明らかにされています。

民間人の「人間の盾」としての使用については次の記述があります(p.12)。

「11月28日、第437軽歩兵大隊が男性の村人6人を人間の盾として隊と共にチエナン地区からモーマウ高校まで歩くことを強制した。12月4日には同じ大隊がモーマウの近くを巡回する際に女性6人を含む11人の農民を人間の盾として使った。1月4日、パカンからカマインまで歩いていた第33軽歩兵師団がKIAに攻撃された後、8人の農民に人間の盾として同行することを強制した。3月30日、ナムトゥの近くでKIAと国家統治評議会(SAC)軍[訳注:国軍のこと]第101軽歩兵師団との戦闘があった後、SAC軍は男性の村人3人を逮捕し、村からナムトゥにある野営地まで隊に交じって歩くことを強制した。」

KWATによれば期間中に5,737人の避難民があらたに発生し、一部は現在も帰宅できていません。

KWATのプレスリリース(2022年6月1日)
https://kachinwomen.com/new-threats-from-the-air/

報告書『空からの新たな脅威』(英語版)
https://kachinwomen.com/wp-content/uploads/2022/05/HRVS_Report_Eng.pdf


(文責 メコン・ウォッチ)

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