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メコン河開発メールニュース2024年10月31日
ミャンマーに連邦制の民主主義がもたらされることをめざして活動する調査・政策提言団体プログレッシブ・ボイスは、「ウィークリー・ハイライト」という記事を毎週配信しています。2024年10月7日付のウィークリー・ハイライトでは、選挙に必要だとして軍が実施している国勢調査が取り上げられています。そもそもこの選挙自体、ミャンマー軍が自らの支配の正当性を国際社会に示すため画策しているもので、ミャンマーの市民社会だけでなく、クーデターを批判する多くの国からも受け入れられていません。
出典 Progressive Voice Weekly Highlight, “Sham Census Counts for Nothing,” October 7, 2024
このウィークリー・ハイライトでプログレッシブ・ボイスは、軍政が行っている国勢調査は「見せかけ」のもので、失敗に終わったクーデターからの出口戦略であるとし、国際社会はこのような軍政の動きに関わるべきではないとしています。また、軍政は全国で国勢調査を行うとしているが、人口の67％が暮らす国土の86％に及ぶ郡を実効支配下に置いていないため、実行できるとは思えないとも述べています。
プログレッシブ・ボイスによれば、ミャンマーの総選挙はすでに2020年に自由で公正な形で実施されており、その選挙で選ばれた議員らがクーデター以降、民族抵抗勢力の指導者らとともに国民統一政府（NUG）などを通じてミャンマーを統治し、市民社会の指導者たちからも支持されています。この点についてプログレッシブ・ボイスのキンオーンマー会長は「今こそ、国際社会はミャンマーで生まれ、ミャンマーの人びとが主導する真の平和構築イニシアティブを全面的に支援するべき」と述べています。
以下は、このウィークリー・ハイライトの中で「国勢調査」の実施状況に関する部分の全訳です。
この見せかけの国勢調査は9月にすでに始まり、民間人が頻繁に脅迫されている。ヤンゴンの住民からの報告によれば、9月1日以降、軍政の国勢調査員が各世帯の構成員のリストを作成している[1]。このリストには、最近亡くなった人や国外にいる人も含まれている。10月1日には、軍の兵士や警察のほか、軍政の関連団体であるピューソーティーという民兵組織の兵が銃で武装し、ヤンゴン管区域のタムウェ郡とカマユ郡で住民を脅して国勢調査に参加させた[2]。
マンダレー管区域では、ピンウールイン郡の住民から軍政の国勢調査が始まったとの報告があった。9月30日、軍政の国勢調査員らが——これには入国管理局員、兵士、警察、各地域の行政官らが含まれる——武装して集団でホテルや病院を巡回した。国勢調査員は、各個人の名前、年齢、職業、住所のほか、国が発行する身分証明書を持っているかも尋ね、直近の活動についても情報を求めた。国勢調査に参加を強いられたことについて、ピンウールインの住民の1人は『ミャンマー・ナウ』紙に次のように述べた。「とても不安に感じた…質問をするのは1人だけだったが、10人くらいがその様子を見守っていた。それに複数の兵士が武器を構えて見張っていた」[3]。
さらに、スーパー台風「ヤギ」が甚大な被害をもたらしたにもかかわらず、軍政は洪水によって荒廃した地元に戻るよう人びとに要求した[4]。
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注
[1] https://english.dvb.no/calls-for-boycott-of-regime-census-in-october-at-least-three-killed-in-airstrikes-on-northern-shan-states-lashio/
[2] https://www.facebook.com/khitthitnews/posts/pfbid021KtcibRGkm39rHLd7YoVngwa84zVWcrpvjAnG2YzD2cwBMpUtrhwqzSFzT6RgpaPl
[3] https://myanmar-now.org/mm/news/58011/
[4]https://eng.mizzima.com/2024/09/30/14536
（翻訳・文責：メコン・ウォッチ）